転職という「派手で分かり易いアクション」の罠 4月入社に向け「転職市場」が盛り上がる季節が到来
東洋経済オンライン / 2025年1月1日 7時50分
もちろんどんなに頑張っても、転職候補先の良い面や悪い面を含めた全体像を見る、というのは不可能に近い。
不可能に近いが、「完璧な職場」や「完璧な仕事」がこの世の中に存在しない以上、個々人として出来る最大限は、常日頃からの準備であり心構えであり、情報取集だ。
要は日頃から、業界研究やエージェントなどからの情報収集をしていたり、もっと前提として自分自身のキャリア展望につき深く考え、自分の価値の源泉は何か、何をする事でその価値の源泉をより強化出来るのか、どこで勝負するべきか、又はどこで勝負しないべきなのか。
そういった事を常日頃から考えているか否かは非常に重要である。
何故重要かというと、完璧な職場や仕事が存在しない以上、自分自身で完璧でない仕事なりを完璧に近づける為の努力と覚悟があるか否かによって、同じ職場でもその働きやすさや、自分がどの程度成長出来るかが全く変わってくるからだ。
したがって、自分サイドのベストのタイミングとしては、長年に亘る努力や工夫により培ってきた自分自身の現在の経験とスキルを踏まえた上で、その次のステップに進むにふさわしい時期と対象となる仕事なりが見つかったタイミング、という事になる。
先ほど戦略性、という言葉を使ったが、要は自分自身の現時点における経験やスキル=価値の源泉、をキチンと理解した上で、現状ステイか転職のどっちがより自分自身の将来性をより高める事が出来るかを冷静に判断した上での意思決定、という事になる。
逆に言うと自分不在の状態の転職とはこの対局で、良く考える事なく何となくで流されて転職、というパターンである。
そして転職という分かり易いアクションを起こす事で、何かをした気になったり、現状抱えている不満や不安の払拭になるという根拠のない陶酔感に酔いしれる。
しかし現実としては職場という箱が変わっただけで、自分自身の価値もスタンスも志も何も変わっていないので、少しするとまた同じような不満や不安を抱える、という事になるパターンだ。
転職は目的ではなく手段である、とはよく言われるが、そこに共通するものがある。
大切なのはベストタイミングを自ら創り上げていくこと
いずれにしても、自分自身が不在にならない様に、自分にとってのベストのタイミングを自ら創り上げていく気概がまずは大切だし、それが転職を成功させる前提という事を心得よう。
さて、次に相手サイド=転職候補先にとってのベストのタイミング、という事であるが、これは仕事内容と個々の事情による、という事になろう。
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