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SKY-HIが語る「今も日本でCDが売れる」マズい理由 「ストリーミングは儲からないという」大誤解

東洋経済オンライン / 2025年1月1日 8時0分

実際にアメリカでは、とっくにそのフェーズに入っていると思う。そんな還元率まで考えたら、グッズを買ってくれるのがアーティストは一番嬉しいと思いますね。

2010年代とかに最も多くのCDを売ったグループの中で、例えば役者とか広告とか、その他の仕事なしで、CDの売り上げだけでお金持ちになった人って1人でもいますか、という。逆にCDを1枚も出さずに配信のみしているアーティストでお金持ちになった人って何人いますか、と考えると割と明白な気がしますね。

倉沢:じゃあファンの皆さんは落ち着いて、CDはそんなに買わずに……。

SKY-HI:そういう簡単な話でもないのはすごいわかるんですよね。これはすごく複雑な話で、結局応援したいっていう純粋な気持ちの"出先"を何にしていくか。

(CD主体のビジネスは)ビジネスとしても破綻してるし、アンサステナブルなのもそうだし、ソロアーティストにも皺寄せもきちゃって、音楽業界自体を逼迫させている。20年近く前から真綿で首を絞めるような状況が続いてる。もうキッチンに並ぶ前のニワトリみたいな状況になっちゃってるんですよ。

ほぼすべてのアーティストにとって結構ヤバい状況なんですけど、かと言って20年とか10年でも、ここ1年でも応援の気持ちをそういう形で表すことを純粋な気持ちでやってきている方がいるわけですよね。

みんながそれをいいって言ってたから、正しいと思ってたからやってただけなのに、それを悪のように言われなきゃいけないってなると、それはすごく嫌だよなと思うし、それはわかる。でも、もう誰かがこれをやらないとみんな死んじゃうので……。

日本の音楽市場のポテンシャルは?

倉沢:今、日本の音楽市場規模は3300億円くらいですが、今後一気にストリーミングとならないまでも、CD依存ビジネスから脱却できた場合、日本の市場のポテンシャルはどれくらいあると思いますか。

SKY-HI:これを言うと「えっ」て言われかもしれないですが、最低でも5000億〜6000億円には回復すると思うんですよね。

倉沢:5000、6000億円を目指そう、となったとき、国内の需要だけではなく、やっぱり海外展開ということになりますか。

SKY-HI:そうですね。例えば、ストリーミングでいろんな国のチャートを聴いてたら、急にモンゴルの歌手が自分のサジェストに入ってきたりする。日本のマーケットとグローバルのマーケットって分けて捉えるんじゃなくて、東アジアの一員としての我々っていう存在でやっていけたら、チャンスは本当に無限に近いくらいあると思います。人口の数だけチャンスになってくるので。

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