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銀座で「フカヒレ定食」仕掛ける中国人女性の正体 美食ブランドを立ち上げる彼女の「夢と不安」

東洋経済オンライン / 2025年1月2日 8時30分

普通は姿煮で提供し、これでもかと高級感をアピールするところ、同店では比較的財布に優しい「フカヒレスープ定食」として提供する。

メインのスープは、金華ハム、丸鶏、干し貝柱、豚骨、豚の皮などを8時間以上煮込んだもの。フカヒレの繊維がほぐれた状態でスープになじんでいるので、旨みをより感じることができる。

これに、おかわり自由の小鉢10種類、ご飯がついて、5500円、7700円、9900円(税・サービス料込み)。価格の違いはフカヒレの部位の違いで、最高級は尾ビレ。5500円のものはほぐしたものを仕入れており、胸ビレを中心とした混合の食材だ。いずれも気仙沼をメインとした国内産のヨシキリザメから取られているという。

小鉢は豚の角煮のようなガッツリ系もあるが、どちらかといえば豆腐や野菜を使った、日本人の舌にも合うさっぱり系のおかずが多い。また季節により内容は変わる。

今回、7700円と5500円の2種類を試食。鍋ごと煮込んであるので、表面がグツグツしている熱々の状態で運ばれてくる。

スープはさまざまな具材が混じり合ったふんわりと優しい味だ。これは、フカヒレを煮込む前に、スープの蒸気を使って蒸していることと関係がある。臭みが消えるので、素材を生かした薄い味付けでも十分なのだ。

ほぐして煮込んでいるためか、繊維のコリコリ感もそれほどない。7700円と5500円の違いは、正直なところわからなかったが、5500円のほうがややコリコリしているかもしれない。

スープもたっぷりあり、ご飯もおかわりができる。ご飯にのせながら、ときどき、添えられているパクチーや金華ハムの千切り、赤酢などで味を変えるのがおすすめだ。

フカヒレスープ定食は原価率50%

「フカヒレスープの定食にしたのは、中国の南のほうでとても流行っているから。『ガチ中華』というとどうしても、濃い味付けの脂っこいものが多いので、こういう優しいガチ中華もあることを知っていただきたい」

孫氏によると、フカヒレスープ定食は原価率50%となっており、小皿をたくさんおかわりした場合は赤字が出てしまうほど、客にとってはお得なメニューとなっている。なお、50%というのはフカヒレ定食のみで考えた場合のこと。一般的に、店全体での原価率は30%程度が飲食店で利益を出すための目安とされている。客席はすべて個室で、落ち着いてゆっくり過ごせるため、銀座に買い物に来た女性客などが穴場として活用しているそうだ。

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