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セブン苦戦でも大ヒット「さばの塩焼」がすごい 総菜売り場を支える中堅メーカーの秘密とは?

東洋経済オンライン / 2025年1月2日 7時30分

セブンの売れ筋カテゴリーを支える会社の秘密とは?(記者撮影)

コンビニ最大手のセブンーイレブン・ジャパンにとって、2024年は苦しい1年だった。ファミリーマートとローソンが既存店売上高を伸ばす中、セブンは前年同期比でマイナスとなる月が多く、業績も減益基調。2024年3~11月期決算も厳しい内容が予想される。

【写真9枚】セブンの「さばの塩焼」、香ばしい匂いが広がる工場の様子はこちら

しかし、そんな中でも絶好調の商品がある。「さばの塩焼」、「さばの味噌煮」などのパック魚総菜だ。セブンによると、既存店が伸び悩む中でも、同商品群の売上高は前年同期比20%ほどの増収になっている。

中でも売れ筋なのがさばの塩焼だ。1切れ入りで価格は税込み375円。2切れ入りが同355円で売られている大手スーパーの類似品に比べると、倍以上の価格設定だ。

強気の価格にもかかわらず、2023年度の販売実績は年間1400万食。セブンのPB(独自企画商品)・セブンプレミアムの売り上げランキングでも堂々の5位につけるなど、モンスター商品に育っている。

セブン全国2万店に単独で供給

実際に食べてみると、脂のりがよくジューシー。レンジ調理でよくあるパサつき感もない。皮目はパリッと焼きたてのような仕上がり。皿に移し替える必要のないトレータイプなのも、消費者には嬉しいポイントだ。

この商品を製造するのは、東証スタンダード市場に上場するSTIフードホールディングス。水産食品やおにぎり具材の製造を手がけるメーカーだ。

STIは主にさばの塩焼、「銀鮭の塩焼」などのパック魚総菜や、「タコとブロッコリーバジルサラダ」や「直火焼きさばのおろしポン酢」などのカップ総菜を供給している。いずれも近年、セブンが商品数を増やしている有望カテゴリーだ。

STIはこれらの総菜を全国2万1000店超のセブンへ単独で供給している。2024年12月期の売上高計画は350億円と中堅メーカーながら、セブンにとってなくてはならないサプライヤーだ。

【写真9枚】セブンのヒット商品「さばの塩焼」の生産工場はこんな感じ。焼きたての香ばしい匂いが広がるすごい現場

最大の強みは、原料の仕入れから包装までを自社で完結する「一貫製造体制」であること。一貫製造によるメリットは原材料費の低減など多数挙げられるが、とくに注目したいのが冷凍回数を減らせる点だ。

魚介類は冷凍すると、うまみ成分のアミノ酸が壊れ、解凍時に水分とともに流れ出てしまう。下処理、調理、輸送などの段階ごとに冷凍、解凍を繰り返せば、その分、味わいの劣化は避けられない。

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