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92歳の女性評論家が「80歳で調理定年」を勧める訳 「総菜、外食、人に頼る」の工夫3つで快適な食を

東洋経済オンライン / 2025年1月3日 10時0分

1人外食のハードルが高いようなら、地域の「シルバー食堂」に行く、という手もあります。

シルバー食堂とは、基本的には65歳以上の高齢者のために食事を提供することを目的とした、各自治体やNPO法人、地域の老人クラブなどが運営している食堂です。1人暮らしや障害があるために自分で食事が準備できない人が気軽に訪れることができ、食事をしながら地域の人たちと交流できる場となっています。

名称は「シルバー食堂」のほかに、「ふれあい食堂」「みんなの食堂」などさまざまですが、近くにあれば、一度見学に行ってみたらどうでしょう。また、「子ども食堂」のなかには、高齢者が参加できるところもあります。そんな「外食」で、1人外食に慣れるのもいいかもしれません。

家の周りに飲食店がなくても、駅のほうまで歩くなり、バスに乗るなりして出かけてみれば、1人で入れるお手頃価格の店はたくさんあります。そこで、気に入ったものを選び、ゆっくりくつろいでおいしく食べれば、栄養もしっかり摂れそうです。

飲食店に行くために、歩いたりバスに乗ったりするのも、いい運動になります。

「毎日外食はちょっと……」という人は、スーパーでお惣菜を買いましょう。買い物をするという行為は、自己決定権を行使することです。

スーパーに並んでいる数ある食品のなかから、これはと思うものを選りすぐって買い物かごに入れることに、自己決定の喜びがあり、精神の自立もあります。

もちろん、コンビニでもいいのです。最近は、少量パックのお惣菜が豊富にそろっていて、レンジでチンするだけでおいしく食べられます。

もう1つ、調理定年後の対策としてあげられるのは、人の手を借りること。私はシルバー人材センターの人に週に2回、昼食を作ってもらっています。

また、誰かと一緒に食事をするのも、若干の緊張感があって、いいものです。夫や近所の友だちと、週に一度くらい連れ立って外食に行くのも、生活に変化がつき、気晴らしにもなります。

名づけて「週1家庭外食堂」です。

ランチなら、値段もそう高くはありません。妻の調理定年に備えて、夫とおふたりさまで「週1家庭外食堂」の実践はとてもよい練習になりますし、友だちと2~3人で集まれば、いろいろな情報交換もできて、おしゃべりが息抜きにもなるでしょう。

「食べることは生きること」といわれますが、「食べること」の周辺にある便利なものを上手に利用して「生きること」が大事だと、知ってほしいのです。

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