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92歳の女性評論家が「80歳で調理定年」を勧める訳 「総菜、外食、人に頼る」の工夫3つで快適な食を

東洋経済オンライン / 2025年1月3日 10時0分

食をおろそかにしてはいけません。「作らずとも食べること」を心がけましょう。

人と一緒の食事で、低栄養リスクを避ける

私は85歳の頃、食欲が落ち、低栄養になり、体調を崩したことがあります。いわゆる栄養失調です。いまの時代に栄養失調?と思われるかもしれませんが、高齢女性には珍しくないことなのです。

食育推進施策(食育白書)[注1]の結果をみても、女性の場合、65歳以上の20.7%、5人に1人が低栄養傾向にあり、85歳以上では27.9%に上っています。男性の場合、それぞれ12.4%、17.2%で、驚いたことに、男性より女性のほうが低栄養に陥りやすいという結果です。

栄養が足りないと、体力が低下するばかりか、転倒や骨折のリスクも高まるのであなどれません。

一方、男性の平均寿命が81.09歳で[注2]、女性より先に亡くなることを考えると(女性の平均寿命は87.14歳)、80代女性の多くが「おひとりさま」になる可能性大です。

おひとりさまになれば、夫の「飯はまだか」の束縛からは解放されるものの、自分で1人分の料理を作り、食卓を整えて食べることが億劫になります。しかしこれが実は、低栄養への入り口なのです。

私が低栄養になったきっかけは、家の建て替えでした。40年余り住んでいた家が古くなって、建て替えを余儀なくされた話は以前にもしました。が、これがけっこう大ごとでして……。

床が抜けるほどあった本類を整理し、不要な物を捨てて仮住まいへ引っ越し、新居ができるとまたそこへ移動して片づけと続けば、80代半ばの体には、さすがにこたえました。

好きだった料理作りがめんどうくさくなり、冷蔵庫にあるハムやヨーグルト、食パンなどでちゃちゃっと食事をすませてしまっていたのです。

歳をとっておひとりさまになると、「買ってきた物をそのままテーブルに並べて食べる」とか、「冷蔵庫から出した残りおかずを立ち食いして食事は終了」という話を聞きます。そんな食事では栄養バランスが崩れ、食事量も減ってしまいます。

私も、まさにそんな状態でした。かなり無精になっていたのです。

「食い改め」体調を取り戻していった

体調を崩し、「これではいけない。まともな食生活が高齢者の健康の基本なのに。このままでは、出かけることも人前に出ることもできなければ、生きる楽しみもなくなる」と深く反省しました。

そこから、三度の食事で、いろいろな食品をまんべんなく食べることを心がけ、「食い改め」ました。そうしてようやく、体調を取り戻していったのでした。

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