ビットコインの命運握る「アメリカの戦略備蓄案」 1月20日のトランプ大統領就任で構想が動き出す?
東洋経済オンライン / 2025年1月3日 7時50分
ビットコインにとっての2024年は金融商品としての地位を確立した年だった。
【データを見る】主なビットコイン保有者。アメリカは「世界でいちばんビットコインを保有する政府」
昨年1月、アメリカの証券取引委員会(SEC)がビットコインの現物ETF(上場投資信託)を承認し、これを契機にビットコイン価格は上昇を続けた。秋口には、これまで参入に慎重だった年金基金をはじめとする保守的な機関投資家も市場に参入した。
さらにトランプ氏がアメリカ大統領選で当選を果たすとビットコイン価格は一段と上昇。連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ政策も追い風となり、一時1ビットコイン(BTC)=1600万円を超える高値を記録した。年初の約600万円から考えると、2.5倍以上の上昇幅であった。
2017年までは日本円が対ビットコイン取引全体の6割近くを占める時期もあったが、同年のシカゴ・マーカンタイル取引所におけるビットコイン先物上場を契機に、取引の中心地はアメリカへと移行した。昨年の現物ETFの承認でその傾向は一段と顕著になっている。
金のようにビットコインを備蓄
2025年の暗号資産相場もアメリカの動向に大きく左右されるだろう。中でも、「ビットコインの戦略備蓄構想」の法案が制定されるかどうかにかかっている。
100万BTC(1BTC=1500万円換算で15兆円)をアメリカ政府が戦略的に備蓄するという構想だ。備蓄規模はビットコインの最終供給量約2100万BTCの5%前後と大きな比率を占める。
同構想はトランプ氏が昨年7月に開かれた世界最大級のビットコイン関連イベント「Bitcoin 2024」で言及したことにより大きく注目を集めた。現在、アメリカ政界で浮上している戦略備蓄に関する提案の中で最も具体的なのは、シンシア・ルミス上院議員の案である。
同案では、100万BTCの備蓄に達するまで、アメリカの財務省が向こう5年で年間20万BTCを購入する。購入資金にはFRBの預金および金保有で生じる利益などを充当し、戦略備蓄は原則最低20年間維持されるという内容だ。
ビットコインは、どの国家にも属さない無国籍資産で、その採掘量に上限がある。つまり金と非常に似た性質を持つ。さらに、法定通貨と比較してインフレリスクが低いことが特徴として挙げられる。
そのためビットコインの戦略備蓄をすれば、ドルの購買力が下落するリスクに対するヘッジ手段になると考えているようだ。また、ビットコイン価格が長期的に上昇していけば、増税せずに財政赤字を減らせるとの目算もあるとみられる。
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