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「東大卒記憶王」が伝授する"物忘れ"の解決法 「頭が悪いから」「もう年だから」は関係ない

東洋経済オンライン / 2025年1月4日 16時0分

好きなものを覚えることをおすすめする理由②

好きなものを記憶すると、好きなものの「分野」に関して圧倒的に詳しくなります。圧倒的に詳しくなると、その知識をどこかで活用したくなるものです。

私は3、4歳のころ、トミカが大好きでした。トミカでたくさん遊んでいたことから、車が好きになり、両親に自動車が載った本を買ってもらいました。そして街を走る車を見てその名前をよく言っていたそうです。

時には車を買いもしないのに、車の展示場や販売店に行きたいと親にねだっていたそうです。両親からすると、車の営業をされるので非常に迷惑だったそうですが、そのおかげで車を外からだけではなく、中からも見せてもらったことで車のハンドルやアクセルやブレーキ、エンジンなどの仕組みについても詳しくなりました。

私の例は幼いときのことですが、年齢が高くなれば、できることも増えてきます。今の時代では、知識をSNSやブログなどで発信したり、同じものを好きなファンが集まるコミュニティーやイベントなどに参加したりすることもできます。 何かの知識を得ることで、自分の行動が少しずつ変わる可能性があります。

好きなものを覚えることをおすすめする理由③

好きなものを覚えると、「自分の好きなもの」と「そうでなかったもの」が意外なところでつながることがあります。例えばサッカーが好きで、日本のプロリーグであるJリーグのクラブ名を北から南まで暗記したとします。北海道には「コンサドーレ札幌」がありますが、コンサドーレとはどんな意味でしょうか? 実は「どさんこ」の逆さ読み(こさんど)と、ラテン語で「行け」「頑張れ!」という意味を持つ「オーレ」を組み合わせた造語です。

「どさんこ」とは、北海道産の馬の品種の名前のこと(北海道出身の人を指すこともあります)。もともと北海道に馬はいなかったようですが、人が持ち込み、そのまま置き去られて生き残り、その後、明治時代に屯田兵たちが北海道開拓をしたときに活躍しました。……これ以上は話が広がりすぎるので、ここで留めますが、サッカーのチーム名を暗記しただけのはずが、その言葉の由来などを調べてみたところ、明治時代の北海道の歴史を学ぶことができました。

「どさんこ」という名前はなんとなく聞いたことはあっても、北海道の馬で、明治時代の北海道開拓に活躍したということまで知っている人は少なかったのではないでしょうか? 今回はJリーグのチームを北から覚えるという話を例に挙げましたが、アイドルグループでも、国旗と国名や車の名前などでも、意外なところに関連性があったりして、知識や興味、経験などがどんどん広がっていきます。

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