92歳女性が「葬式はしない」と決めた納得すぎる訳 お墓問題は「体力気力があるうちに決着つける」
東洋経済オンライン / 2025年1月4日 7時10分
人生100年時代がやってきました。長い老後をどのように過ごせばいいのでしょう。
最期まで前向きに生きるためには「老いゆく自分を客観的にみつめ、受け入れること」「視野を広げて自分の置かれている状況、社会的な状況を知ること」この2つが大切だという、評論家の樋口恵子さん。現在92歳の樋口さんが、日々感じていることや実践していることを『老いてもヒグチ。転ばぬ先の幸せのヒント』から3回に渡ってご紹介します。
第3回は「自分の葬儀とお墓のこと」を考えていきます。
元気なうちに連絡を取り、悔いのない別れを
私は「葬儀無用。親しい人だけが集まる家族葬でお願いしたい」と思っています。
葬儀というものは、見送る人たちの思いを語り合う場でもあるので、葬儀自体を否定するつもりはありません。しかし、90代になった私が「葬儀無用」と言い出したのは、自分の死をはっきりと意識し始めたことと、超高齢社会の到来を実感しているからです。
超高齢社会の葬儀は、亡くなる人が90代なら、会葬する友人も多くは90代です。体調の悪さを押して葬儀に出かけ、体調を崩したという人も珍しくありません。
離ればなれに住んでいるきょうだいの葬式であれば、何がなんでも駆けつけなくては、と思っても、高齢者は「移動」ができないのです。
私自身、ヨタヘロになってつくづく思うのは、移動のための身体能力は割合早く失うということ。
例えば、私は車いすに乗せてさえくれれば、飛行機に乗ることはできますが、行った先の空港で車いすを操り、1人で移動する自信はありません。新幹線ならなおさら、道中は困難を極めるでしょう。家族や友人に「一緒にお葬式に来て」とはとてもいえません。
体が弱っていても話ができるのなら、安否が気になる人には電話をするとか、手が不自由でなければ手紙を書くなど、可能な手段を駆使して連絡を取り交流していれば、たとえ葬儀に行けなくても後悔なくお別れができそうな気がします。
故人にふさわしい葬儀なら宗教にこだわらない
さて、皆さんが迷われるのは、家族葬と決めても宗教的な儀式を行うのかどうか、ではないでしょうか。
基本的には、日本は宗教の自由がある国ですから、本人の信仰や家の宗教、喪主の考えに合わせるしかありません。
私の父は浄土真宗のお寺の三男坊でしたが、跡継ぎではなかったので、好きな学問に没頭していました。私も信仰心などこれっぽっちもないのですが、門前の小僧的な真似事で、親鸞聖人が著した「正信偈(しょうしんげ)」なら読むことができます。
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