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92歳女性が「葬式はしない」と決めた納得すぎる訳 お墓問題は「体力気力があるうちに決着つける」

東洋経済オンライン / 2025年1月4日 7時10分

無宗教でも、お経くらいは読んでもらったほうが落ち着く、と思うのならお坊さんに来てもらってもいいし、お経を読める人に頼んでもいいと思います。

私の連れ合いは60代の最後に亡くなりましたが、無宗教でした。しかし、学問の仲間が大勢いてお寺で葬儀をしたので、お坊さんの読経とともに盛大に見送りました。仏教寄りの無宗教ですね。

結局、葬儀は故人の年齢や、亡くなった際の立場にもよるし、経済的な事情もあるでしょうから、それらを鑑みて、その人、その家庭にふさわしい方法を選ぶのがよさそうです。

仏教が敬遠される理由の1つに、死後に何度も行う法事や、お寺とのつき合いにお金がかかることがあげられます。私の連れ合いに関しては、一周忌だけしかしませんでした。毎年、命日にお墓参りに行くのでいいのではないか、と考えています。

一方で葬儀や法事のよさも感じています。

何かのご縁でつながった親族が集まり、お墓参りをする風景は、ほのぼのとした温かみを感じます。法事にしても、普段は疎遠にしている親戚一同、子どもの頃に一緒に遊んだいとこ同士が再会する場でもあります。

みんなで昔話に花を咲かせたり、故人とのかかわりを振り返る貴重なひとときになります。お金がかかり過ぎない程度に、いまを生きている人の心が安らぐ葬儀や法事を行うことは、それなりの意味があると思います。

参考までにどのような葬儀を行っているのかのデータを探してみました。

2020年までは一般葬が主流でしたが、その後、コロナ禍の影響もあり、家族葬や直葬・火葬式が増えました。2022年3月~2023年3月までの調査でも、半数は家族葬を選んでいます[注1]。

注1:株式会社鎌倉新書 いい葬儀「第6回お葬式に関する全国調査」2024

お墓の承継が難しい時代に入った

お墓にはややこしい決まりがあることを知ったのは、最初の連れ合いが亡くなり、私の実家のお墓に納骨しようとしたときのこと。

お寺から「苗字が違う人のお骨(こつ)は入れられない」と断られたのです。これを「一墓所一家名」というそうですが、数十年前までは、家制度の考え方がお墓にも適用されるのが一般的でした。

仕方がないので私は霊園墓地を探して使用料を払い、墓石を建てて、夫の両親のほうのお墓にも分骨するなど、たいへん苦労したものです。

その後、そのお寺もお墓の承継者が途絶えるケースが続出したため、「一墓所一家名」の方針を変えたようでした。共同の供養塔を建てて、そこへお墓から移し替えたお骨は、永代供養ができるようになったのです。

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