「総理在職日数ベスト10」で振り返る"昭和100年" 3位は吉田茂、2位は佐藤栄作で…1位は?
東洋経済オンライン / 2025年1月4日 8時1分
佐藤は昭和47(1972)年、念願のアメリカからの沖縄施政権返還を果たし、その功績でノーベル平和賞を受賞したが、後に、核抜き、本土並みの公約を裏切る核持ち込みの密約があったと報道され、男を下げた。
長期政権の秘密の一つに、人事の佐藤と言われる派閥操縦があった。福田赳夫ら有力後継者を巧みに閣内に取り込み、反主流派を骨抜きにしたのだ。
足かけ9年に及ぶ政権の後、ポスト佐藤の座を手にしたのは田中角栄だった。しかし、その田中の全盛期は、実は佐藤政権の幹事長として、金に物を言わせて党を思うまま牛耳っていた時代だった。
田中の「日本列島改造論」は狂乱物価を招いただけだったが、佐藤やライバルの福田赳夫が消極的だった日中国交回復を実現した田中の実績は消えない。
▶1位 安倍晋三〔3188日〕
総理在職日数1位は、初代の伊藤博文以降の全総理を見てもただ一人在職3000日を超えた、安倍晋三である。
ベスト10にそろって入った安倍・佐藤栄作・岸信介は、周知のように一族である。先述の通り岸と佐藤は実の兄弟で、安倍晋三の父・安倍晋太郎は岸の娘婿にあたる。
「3本の矢」の効果はあったのか
安倍は退任後にテロに斃れたが、後任の菅義偉、岸田文雄の両政権があまりにも虚弱だったことから、今さらながらその長期本格政権ぶりが際立つ。
許しがたいテロの凶弾は、結果的に自民党と旧統一教会とのズブズブの癒着関係をあぶり出してしまった。ただそのために、アベノミクスの功罪が現在の政治経済にどう影響しているかの検証が、うやむやになったことは否めない。
具体的に、平成24(2012)年12月からの第2次安倍内閣が掲げた「3本の矢」の効果はどうだったのか。「異次元緩和」と言われた、①「大胆な金融緩和政策」、②「機動的な財政政策」、③「民間投資を喚起する成長戦略」の3本の柱である。
それらは、デフレ脱却と富の拡大という基本路線に沿ったものだった。そして確かに、GDP55兆円増と、労働人口350万人増、株価上昇は達成された。だが誰もが指摘するように、経済成長率2%は未達成に終わった。
今、安倍政権の非主流派に甘んじていた石破茂は念願の総理となり、微妙に安倍長期政権を評価するスタンスに変えているようにも見える。自民党が絶対多数を失っただけでも本格政権にはほど遠い現状から、どう政策を進めていくのか、お手並み拝見である。
本稿の最後に、在職日数が短かった総理についても見てみよう。短命総理ワースト3である。
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