脳疲労の具合は頭を触ることで確かめられる 過去への後悔、スマホ閲覧、スポーツでも脳は疲労する
東洋経済オンライン / 2025年1月5日 13時0分
原因①DMNが働きすぎる
脳のすべての疲れやストレスは、過去や未来への意識から生まれます。みなさんはDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)をご存じですか?
専門的には「無意識に近い状態で、記憶や経験に準じてオートマチックに情報処理や指示出しをする」と説明されますが、シンプルに脳の自動操縦のことだと理解しておいてください。
自動操縦とは、どれだけボーッとしているときでも、さまざまな雑念が浮かんでくることを指します。特に何かを考えようとしていないのに、勝手に頭の中で考えごとがはじまってしまう経験は誰しもあると思います。これが、DMNが働いている状態です。
脳は身体が消費する全エネルギーの約20%を使います。そのうちDMNのエネルギー消費量は、脳の全エネルギー消費の60〜80%を占めるとも言われています。よって積極的に脳を使っていなくても、DMNが過剰に働き続ける限り、脳はどんどん疲れていきます。
さらに、自動操縦以外にも過剰に働く場面があります。それは不安や悩みに心を奪われているときです。すでに終わったことを気に病んでいたり、これから起こることを不安に思ったりするときに、DMNは過剰に活動します。
「あのとき、ああしていればよかった」
「来週の試合でうまく結果が残せるだろうか……」
ネガティブな思考の反復、いわゆる反芻思考のクセも、DMNの使いすぎと関連しており、脳の疲労に直結します。つまりクヨクヨと思い悩む人ほど脳のエネルギーを浪費し、脳疲労を起こしやすいということです。
膨大な視覚情報による疲労の蓄積
原因②目や耳からのストレス
脳の疲労は、目や耳や鼻など、五感から入る情報に起因することも多いです。特に目からの情報は、脳疲労の大きな割合を占めています。このことは多くの人が実感していることでしょう。
SNSや動画配信サービス、そしてオンラインゲームなど、数えきれないほどの情報が、スマートフォンなどを通して私たちの目に飛び込んできます。それらが切り替わる速さはどんどん増しており、画面をスクロールする速さも相当速くなっています。
膨大かつ目まぐるしく変化する視覚情報にさらされる日々は、脳疲労の蓄積を引き起こします。また、目の酷使は動体視力の低下につながるという観点からも、目の状態に配慮することはとても重要です。
同様に、耳や鼻からの情報も脳疲労につながるので、使うときと使わないとき(休めるとき)の取捨選択が必要になります。
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