退職者による「企業秘密」漏えいを防ぐ4つの方策 「秘密保持契約」を形骸化させてはいけない
東洋経済オンライン / 2025年1月6日 8時30分
①「企業秘密」にアクセスすることができる者をその「企業秘密」を必要とする業務の担当者とその上司に限定する
②「企業秘密」にアクセスすることができるとしても、「企業秘密」の内容を見ることができる者を限定する
③「企業秘密」の内容を見ることができても、デジタルデータならダウンロードやメールにファイルを添付することができないようにする、紙媒体ならコピーや持帰りを禁止する
など、段階を分けた情報管理が可能だと思います。
また、退職日までに日数があるときでも、
④退職の意向を示した者には「企業秘密」にはアクセスできないようにする
など、情報管理の方法を変更することも、退職する直前に「企業秘密」を不正に取得することを防止するのに有益です。
「退職者を」企業秘密から隔離する
(3)物理的管理
最善の方法は、「企業秘密」そのものを物理的に隔離して、退職の意向を示した者がアクセスできない、別の場所に保管することです。たとえば、共有サーバや共有フォルダに保存されている「企業秘密」(デジタルデータ)を共有されていないサーバやフォルダに移動させることが考えられます。
しかし、退職の意向を示した者による不正取得を防ぐためだけに「企業秘密」を隔離すると、通常業務に支障が出てしまいます。そこで現実的には、「企業秘密」を隔離するのではなく、退職の意向を示した者を「企業秘密」から隔離することが最善策です。
「企業秘密」から隔離する最も簡単な方法は、
①退職の意向を示した者に有給休暇をとらせ、出社させない
ことです。出社しなければ「企業秘密」にアクセスすることはできません。
ただし、クラウド(SaaS)やテレワークの浸透により、出社しなくとも自宅のパソコンから共有フォルダや共有サーバ内の「企業秘密」にアクセスすることは可能です。そこで、退職の意向を示した者は、
②退職日まではクラウドやテレワークを利用できないようにする、クラウドやテレワークができるとしても「企業秘密」にアクセスできないようにする
ことも、「企業秘密」からの隔離といえます。さらに、
③退職の意向を示した者は、「企業秘密」を取り扱う会議に参加させない
④退職の意向を示した者は、紙媒体などが保存されているキャビネットから席を離す
なども有益な方法です。
(4)技術的管理
「企業秘密」の多くがデジタルデータ化している今日では、退職の意向を示した者がデジタルデータにアクセスできないように技術を駆使することが不可欠です。たとえば、
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