2025年「注目の鉄道新路線」延伸や計画の行方は? 万博地下鉄と路面電車、新幹線計画はどうなる
東洋経済オンライン / 2025年1月6日 6時30分
2025年は、イギリスで蒸気機関車を使用した実用的な鉄道が開業してから200年。世界の鉄道にとって大きな節目といえる年だ。
【写真でわかる現地の様子】万博会場へのアクセスを担う大阪メトロ中央線の夢洲駅は近未来的なデザイン。広島では新駅ビルの2階に路面電車が乗り入れる。そして昨年に延伸開業した路線、覚えている?
日本ではこの数年各地で続いた新幹線延伸のような「大物」の新路線開業はないものの、今年開催の大阪・関西万博会場へのアクセスとなる地下鉄、そして距離は短いものの、近年注目を集める路面電車の新時代を感じさせる新ルートが開業する。
また、2025年開業予定の路線に限らず、全国にはさまざまな新線・路線延伸の計画がある。どのような計画が動きつつあるのか、または停滞しているのか。
万博アクセス路線は1月開業
今年の新路線は現時点で2つ。1つは、4月に開幕する大阪・関西万博の会場である大阪港の人工島、夢洲(ゆめしま)へのアクセスを担う路線として1月19日に延伸開業する、大阪メトロ中央線のコスモスクエア―夢洲間だ。延伸開業する区間の長さは約3.2kmで、全区間が海底を含む地下。新設する駅は終点、夢洲の1駅で、途中駅はない。
【写真】万博会場へのアクセスを担う大阪メトロ中央線の夢洲駅は近未来的なデザイン。広島では新駅ビルの2階に路面電車が乗り入れる
大阪での万博開催が正式に決定したのは2018年11月だが、新たに開業する区間の前史は長い。2008年夏季五輪の招致をにらんだインフラ整備として、コスモスクエア駅のある人工島、咲洲(さきしま)と夢洲を結ぶ道路・地下鉄トンネルの工事が始まったのは2000年のことだ。
五輪の招致が実現しなかったため地下鉄部分の工事は途中で打ち切られ、2009年に道路トンネルのみ開通。だが、地下鉄部分も躯体は構築済みだったため、万博の開催決定を受けて2020年には地下鉄の延伸計画が再始動した。そこから夢洲駅や同島内のトンネル建設を進め、万博開幕約3カ月前の開業にこぎつけた。
大阪メトロ中央線は万博会場に乗り入れる唯一の鉄道路線で、会期中のピーク時には最大で1日12万9000人の利用が見込まれる。大勢の来場者をさばくため、夢洲駅のコンコースは幅約17m、2つある改札のうち万博会場の東ゲートに通じる側には計16台の自動改札機が並ぶ。コンコースや改札では大型のデジタルサイネージが利用者を迎える。
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