1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

免税事業者に圧力?「インボイス制度」導入の背景 いまさら聞けないインボイス制度の超基本(上)

東洋経済オンライン / 2025年1月6日 18時0分

(写真:mapo/PIXTA)

会社に縛られず、自分の裁量下で仕事を進められる「フリーランス」に転身する人が増えています。しかし、“自由な働き方”の裏で、さまざまな誤算に見舞われ、生活が立ちゆかなくなったり、買いたたきにより尊厳を奪われたりする事態も。安定的に稼ぐためにフリーランサーが知っておきたい「マネーリテラシー」とは――。

本稿では、フリーランス歴10年の文系ブックライターが、『YouTuber公認会計士がギリギリまで教える フリーランスになったらまっさきに読むお金と税金の話』を上梓した小山晃弘氏に、インボイス制度の基礎について聞きました。

そもそもインボイス制度とは何か

郷和貴(以下、郷):小山先生、よろしくお願いします! まずは、インボイス制度について質問していいですか?

小山晃弘(以下、小山):もちろん。私も問い合わせはたくさん受けました。郷さんは登録されていますか?

郷:実は、制度がはじまったときアメリカに住んでいたので、まだなんです。結局のところ、インボイス制度ってなんですか?

小山:ものすごく簡単にいえば、「クライアントから支払われる消費税を自分の懐に入れないでね」という制度。

もう少し具体的にいうと「いままで消費税の納税を免除されていた売上1000万円を超えないフリーランスも、消費税を国に納める『課税事業者』になってね」という制度です。あくまでも任意ですけど。

郷:なぬっ! 反対のプラカードもって霞が関行ってきます!

小山:もうはじまっていますから(笑)。

郷:10%って、フリーランスにとってめちゃくちゃでかいですよ。年商500万なら50万。会社員のボーナスくらいあるじゃないですか。それを国が徴収しますという話ですよね?

小山:全額ではないですよ。業種によって納める税率は違いますけど、ライターのようなサービス業なら、ざっくり半分くらい(※)。

※簡易課税を選択した場合

表向きは「税額や税率をきっちり把握するため」

郷:25万でもありえねぇ……。この制度が導入された「表向きの理由」はなんですか?

小山:現在、消費税は標準税率の10%と軽減税率(※)の8%が混在しているんですけど、税額や税率をきっちり把握するため、というのが表向きの理由ですかね。

で、きっちり把握するための手段として導入されたのが「適格請求書」と呼ばれる請求書のフォーマット。「インボイス」とは「適格請求書」のことです。

※外食と酒類を除く飲料食品、および週2回以上発行される新聞が対象

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください