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「警視庁公安部」が"新設部署"に込めた深い意図 世界を震撼させる「ローンオフェンダー」に関係?

東洋経済オンライン / 2025年1月7日 9時0分

2025年4月、警視庁公安部に“新たな脅威”を対策するための専門課が設置される(写真:IK/PIXTA)

2025年が始まって早々の1月1日、ジャズで知られるアメリカ南部の大都市ニューオーリンズで不可解なテロ事件が発生した。

【画像】身近に潜む「単独テロリスト」3つの特徴

新年を祝う群衆に車が突っ込み、少なくとも15人が死亡し、35人以上が負傷。目下、動機や背景などが調べられているところだが、「ローンオフェンダー」(単独テロ行為。以下、LO)ではないかとみられている。

バイデン大統領は、過激派組織「イスラム国」に触発された攻撃のようだと述べ、LO型のテロであることを示唆している。

聞き慣れない、この「LO」という犯罪。実は今、LOが“新たな脅威”として世界的に警戒されており、日本とも無関係ではない。

そして今春、警視庁公安部に新設される“とある部署”にも関係してくるのだ。

一体、世界は何に恐れ慄いているのか。また、日本にどのような影響があるのだろうか。

トランプ氏暗殺未遂事件は「テロ」ではなかった?

LOは、過去には「ローンウルフ」(一匹狼)などとも呼ばれていた。しかし、少々カッコよくも聞こえる呼び名は、テロを美化させてしまいかねないという理由で、最近はLOの呼び方が定着しつつある。

では改めて、「LO」とは、どのような犯罪だとされているのだろうか。

アメリカ連邦捜査局(FBI)が2009年にまとめた対策文書によると、LOは、①組織の指示のもとではなく、単独あるいは少数の個人によって実行され、②実行犯は他の人に援助を求めることはあるが、主たる計画は、実行犯が他人に指示されるのではなく自ら生み出したもの、そして、③実行犯は、思想的、政治的、社会的、または宗教的な目的のために致命的な暴力の使用を意識的に容認していて、④殺人に至った、または殺人に至っていた可能性が高い行動と定義している。*

具体的な例を挙げると、2022年7月に安倍晋三元首相が殺害された事件は、FBIの定義では「LO型テロ」に当てはまる。しかし、2024年7月のトランプ氏暗殺未遂事件は、犯人が射殺されてしまったので動機の面での解明は難しいが、「テロ」にはならない可能性もある。

このように、動機が何であるか、また、攻撃に他の人がどの程度関与しているか、という2点を中心に、LO型テロかどうかを判断することになる。しかし、他国ではFBIとは定義が異なることもあり、他のテロや犯罪行為との境界はあいまいだ。

あえてLO型テロを定義するならば、(A)個人で活動し、(B)思想的、政治的、社会的、または宗教的な目的のために致命的な暴力の使用を意図し、(C)外部からの直接の命令や階層構造を持たずに、個人が手口を考案し実行するテロ活動、と筆者は考えている。

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