中国発・格安通販のユーザー層、何とも意外な実態 都道府県別の通販アプリ利用率ランキング
東洋経済オンライン / 2025年1月8日 9時0分
中国発の格安通販サービス「Temu」や「SHEIN」が、圧倒的な安さを武器に世界中で利用者を急増させた。
【ランキング表】Amazonや楽天、TemuやSHEINなどの都道府県別アプリ利用率
ネット通販の王者であるAmazonに対して、挑戦者として中国系サービスが登場したこの構図は、動画配信の世界でYouTubeに対してTikTokが現れた状況を彷彿とさせる。アメリカではAmazonがTemuやSHEINに対抗する低価格ストアの展開を始めるなど、対抗姿勢を鮮明にしている。
日本でもTemuやSHEINといった格安通販サービスの普及は進んでいる。これらのサービスは日本国内のネット通販市場にどのような影響を与えるのだろうか。
本稿では、株式会社ドコモ・インサイトマーケティングが所有するdi-PiNK(*)のスマートフォンアプリログデータを用いて分析する。
利用者が急増するTemuとSHEIN
まず、Temu、SHEINのアプリの利用率(各月に1回以上該当するスマホアプリを利用した人の割合)の推移を確認しよう。SHEINの利用率は2022年8月からの2024年7月までの間に3.1%から6.3%へと、2年間で倍以上にも増加した。過酷な労働条件や有害物質の検出に関する報道もあり、8月から利用率が低下したものの、直近10月には5%以上に回復した。
Temuの普及はSHEIN以上のスピードだ。2023年7月の日本でのサービス開始から1年で利用率は4.7%にまで急上昇している。SHEINと同様に報道を受けた利用率の低下がみられるが、やはり直近10月には再び利用率が上昇した。
これらの格安通販サービスの普及が日本国内のネット通販市場に与える影響を検討するため、まずは各サービスがどのような層に普及しているかを見てみよう。各アプリの利用者の特徴を見るために、次の図で各アプリの利用者(2024年10月に1回以上利用した15~69歳)の平均年齢と女性構成比を示した。
Temuは楽天市場やUNIQLOとユーザー層が近い
各アプリの利用者の特徴からは、ネット通販は「①女性ミドル世代向けおトク通販」「②若年女性向けファッション通販」「③男性向け実用品通販」の3グループに分けられることが見えてきた。
①はTemuが普及しているグループで、女性の構成比が高く、利用者の平均年齢が高いことが特徴だ。楽天市場やUNIQLOもここに含まれる。新興サービスであるにもかかわらず、Temuの利用者の平均年齢が高いのは意外な結果だ。
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