中国発・格安通販のユーザー層、何とも意外な実態 都道府県別の通販アプリ利用率ランキング
東洋経済オンライン / 2025年1月8日 9時0分
②はSHEINが普及しているグループで、若年女性が主要なユーザーだ。全てのアプリで20代の利用者が最も多かった。SHEINとQoo10は利用者の8割以上が女性で、国内のサービスとしてZOZOTOWNがこのグループに含まれる。
Amazonはこれらのどちらのグループにも属さず、男性の構成比が高い③に分類された。中国発の格安通販であるAliExpressもここに含まれる。
これらの結果から見えてきたのは、「中国発の格安通販」として一括りにされがちなTemu、SHEIN、AliExpressといったサービスが、実はそれぞれ異なるターゲットに普及しているということだ。格安通販サービスが国内の通販市場に与える影響を考えるにあたっては、この点が重要だ。
日本では、特に成長が著しいTemu・SHEINはそれぞれ楽天市場・ZOZOTOWNと利用者が重なる。Amazonよりもむしろ国産の通販サービスと競合していると考えられるのだ。
地域ごとに中国発の格安通販の利用率に差
居住地域の視点からも見てみよう。各通販アプリの利用率の上位、下位3位の都道府県を次のように示した。
中国発の格安通販の特徴は明確で、Temu、SHEIN、AliExpressのいずれも利用率1位は沖縄県だ。Temu、SHEINは2位、3位に長崎県、宮崎県が続き、九州沖縄エリアの普及が先行していることがうかがえる。
リアル店舗へのアクセスの問題や、県民の平均的所得など複数の要因が考えられるが、利用率が高い地域と低い地域では2倍以上の開きがあり、普及のスピードに大きな地域差があることも特徴として浮き彫りになった。
また、Temuの利用率が最も高い沖縄県では、楽天市場、UNIQLOの利用率が最も低かったというのも興味深い結果だ。アプリ利用者の性年代の分析においては、Temuは楽天市場やUNIQLOと利用者層が近いことがわかった。利用者層が近い分、これらのサービスの間の競合関係が強いことがうかがえる。
従来ある通販アプリに着目すると、プロ野球チームが本拠地を置く宮城県で楽天市場の利用率が最も高かったのを別とすれば、Amazon、UNIQLO、ZOZOTOWNはいずれも東京の利用率が最も高かった。商業が密集する東京では、リアル店舗での買い物の利便性も高いはずだが、むしろリアル店舗の存在がネット通販での購買意欲も刺激していることがうかがえる。
一方で、東京のTemuの利用率は46位、SHEINの利用率は44位と低かった。比較的所得も高く、リアル店舗も充実した東京には、格安通販の入り込む余地が比較的小さいのかもしれない。
中国通販の影響は避けられない国産サービス
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