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中居正広CM削除「ソフトバンクの判断」が正しい訳 「示談してたのに…」は企業には一切関係ない

東洋経済オンライン / 2025年1月8日 8時40分

もちろんデメリットもあって、AIキャラクターと知っていれば愛着を感じてもらうまで時間がかかるかもしれない。また、AIキャラクターはやりすぎであっても、アニメ等のキャラクターの活用はこれからも進むだろう。

同額を払うのであれば、キャラクターのほうが炎上は少なくなる。広告代理店のプレゼンテーションでも、アニメキャラのスキャンダルのなさがPRポイントとして強調されるだろう。

また、少しでもリスクを抑えるためなら、自社社員の活用も一手だろう。自社の商品がゆえに利点を知り尽くしているし、何よりモチベーションのアップにもなるだろう。

これまでの議論をまとめる。

消費者は単なる商品やサービスの購入者ではなく、企業の価値観や行動を見極める監視者にもなっている。SNS等で口コミをつねに摂取しているし、企業の選択や対応もリアルタイムで評価している。また社会的な反応を考えると、炎上が起きてしまったら、その芸能人の対象CM等を削除する流れはしかたない側面があった。

また、広告にAIキャラクターを採用する可能性はある。「漂白された世界」で安全策を取ることが、逆に消費者からの冷ややかな反応を招くリスクもあるため、できるだけ企業は採用する必然を演出する必要がある。

再挑戦できる仕組みの整備も必要ではないか?

現在の日本では議論がかなり早いだろうが、最後にもうひとつ、一般論として述べたいことがある。

誰もが言う、「社会的な責任」「再挑戦できる世界」という視点から考えると、芸能人の再起や復活・更生を支援する仕組みを作る必要もあるだろう、ということだ。

一度は事件で堕ちてしまった芸能人であっても、一定の禊ぎが済んだ後は、企業が採用する社会的理解も得られるべきだろう。たとえば、過去に問題を抱え乗り越えたストーリーを共有することは、多くの人の共感を得る可能性もある。

少なくとも日本社会が、どれだけ対象者を許さないままでいるのかーー。私は注目したいと思うのだ。

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坂口 孝則:未来調達研究所

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