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大戸屋が挑戦「1980円・高級すき焼き」の"実力" ペッパーフードも同種の業態出すも狙いは異なる

東洋経済オンライン / 2025年1月9日 7時50分

すき鍋には薄切りにされた国産黒毛和牛の肩バラがたっぷり150グラム。それ以外の具材も豊富で、しめじやエノキ、白菜、玉ねぎ、しらたき、豆腐が入っていた。

しっかりとした甘辛味のつゆで煮込まれており、定食チェーンの大戸屋らしくごはんの進む味付け。

しっかりとボリュームがあり、腹ペコの男性でも満足できるのではないだろうか。

主役である肉に関して。薄切りにされた肉の脂身は少なめ。いわゆる和牛のとろける感じや脂の甘みなどはあまり感じられず、特筆すべきほどの味わいではなかった。

「国産黒毛和牛」と謳ってはいるものの、和牛もピンからキリまである……と、写真を見て感じる人もいるかもしれないが、とは言え、価格は1980円だし、他の具材も入っていることからトータルの満足感は十分だ。

つゆが濃いめの味付けなので、肉自体の旨みが強くなくても美味しく食べられる。

何より、この価格とこのボリュームを考えればコストパフォーマンスは悪くないのだろう。

物議を醸した「すきはな」は素材勝負

一方の「すきはな」もチェックしてみた。同店は「国産牛」1980円、「黒毛和牛」2530円、「本日の特選和牛」3850円の3種類から肉が選べる。

こちらが1980円の「国産牛」の肉。大判だが薄切りが1枚。それが半分にカットされている。正確なグラム数はわからないが決して多いとは言えない量だ。

貧乏性の筆者は値段が頭によぎり大切に4口で食べ終えたが、人によっては2口かもしれない。この量がネット上で物議を醸したゆえんだ。

なお、ごはんと味噌汁は1回ずつおかわりが可能で、お新香や生卵、あおさが付く。食後にはミニソフトクリームもあるのでそれなりにお腹は満たされることを付け足しておく。

量が少ないことはさておき、「すきはな」では肉質への並々ならぬこだわりを感じた。口の中でとろける感覚、脂の甘みや香りなど、ワンランク上の味わい。一番安い「国産牛」でもしっかりと肉の美味しさを感じられた。

「肉の味に集中してほしい」の思いは、確かに伝わってきた。肉だけなら高級店に匹敵するクオリティで、それが1980円で味わえると思えば安いのかもしれない。

肉は目の前に備え付けてある鍋でスタッフが焼く。牛脂を敷き、ザラメを振って、肉を投入し割り下を注ぐ。ほどよい火入れで肉を皿に盛り付けてくれる。ライブ感とともに、きわめてシンプルな調理法であることがわかり、それだけに素材の質にはごまかしがきかないことが実感できる。

値段は同じでも、ターゲットがまったく異なる

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