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「シニア世代の再婚」が引き起こす"意外な大問題" 「本人の自由だけど…」意外な「大問題」とは?

東洋経済オンライン / 2025年1月11日 8時25分

数カ月後、TさんはSさんの母親にプロポーズ。迷ったSさんの母親は、Sさんに相談してきたのです。

70歳にもなる母親が再婚とは、思いもよらない話でした。

しかし「お母さんがそうしたいなら、いいと思う」と、Sさんは賛成しました。

ひとりより2人のほうが楽しく暮らしていけるだろうし、体調が悪いときなどに誰かが近くにいてくれるのは安心だと考えたからです。

Tさんは母親と一緒に、東京のSさんのところまで挨拶にきてくれました。

Tさんは穏やかでやさしそうな男性で、Sさんも心から祝福しました。

ところがある日、Sさんに「見知らぬ男性」から電話がかかってきたのです──。

電話の主は、Tさんの息子さんでした。

「あなた、なぜ親の再婚に賛成なんてするんですか? 普通は反対するでしょう。まさか財産目当てですか?」

いきなりまくしたてられ、Sさんは困惑します。

なぜ、Tさんの息子が再婚に反対するのか。

それは、籍を入れれば「相続問題」が発生するからです。

「結婚するなら絶縁する」とまで言い切った息子

聞けばTさんは、大きな家や土地、十分な金融資産を持つ、そこそこの資産家でした。

Sさんの母親がTさんと結婚して、Tさんが先に亡くなるようなことがあれば、法定相続でTさんの財産の2分の1はSさんの母親が相続することになります。

たとえTさんが「Sさんの母親には財産を渡さない」という遺言書を書いたとしても、配偶者には遺留分として4分の1を相続する権利があります。

「老いらくの恋」によって財産の半分が赤の他人に渡るのは許せないというわけです。

Tさんの息子は「結婚するなら絶縁する。介護や葬儀にも関わらないし、墓もみない」とまで言い出しました。激昂した息子さんがテーブルをひっくり返すほどの大騒ぎになったそうです。

息子さんだけでなく、娘さんやその他の親族も賛成してはくれないようでした。

筆者の意見としては、「当人同士が結婚したいというなら、当人たちの意思を貫くのが筋」だとは思います。

一緒にいることで人生や生活の質が上がり、楽しい日々が送れるのであれば、そのほうがいいに決まっているからです。

ただ、Tさんの息子が、文句を言いたくなる気持ちもわかります。

本来なら子どもに100%渡るはずの遺産が、半分も見知らぬ他人に渡ってしまう可能性があるわけですから。

父親と長年連れ添い、自分たちを育ててくれた実の母親をないがしろにされたような思いもあるでしょう。

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