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「運をコントロールする」セレンディピティの法則 「幸運は降ってくる」と思う人が兆しを逃す理由

東洋経済オンライン / 2025年1月11日 9時55分

それには洞察力(雑多なものを選別し、価値あるものを見つける能力)と粘り強さ(最後までやり遂げる力)が必要になる。

――17ページより

これまでの人生を振り返ってみて、「本来であればセレンディピティが起こり得たのに、結果的には気づかなかった(あるいは、気づいていたが行動しなかった)」ために未遂に終わったケースは、実際のところ誰にでもあるものではないだろうか。

 なにか小さなきっかけがあれば行動できたに違いない場面で、結局はなにもせず、あとになって後悔した経験がある方もいらっしゃるだろう(残念なことに、それは私も同じだ)。

 だからこそ、セレンディピティ・マインドセットを身につけることが重要なのである。

組織や、人脈、物理的空間を見なおすことによって、セレンディピティが生まれやすい状況を生み出すこともできるようだ。

能動的に動くことでセレンディピティを呼び込む

セレンディピティ・マインドセットと適切な状況とを組み合わせることによって、「セレンディピティ・フィールド」は豊かになるというのだ。

セレンディピティのプロセスと、セレンディピティ・フィールドの生まれる様子を示すと、上の図のようになる。

ちなみに、これはあくまで単純化したものであり、トリガーの発生と点と点の連結は通常同時に起こるという。

また図には示されていないが、初期の結果がその後のセレンディピティの発生頻度を左右する「フィードバック・ループ」もあるようだ。

ともあれこれを見る限り、セレンディピティは私たちが能動的に引き起こしたものであることがわかる。トリガーが発生し、それが粘り強さを経てセレンディピティの発見につながるのだから。

 「それをセレンディピティといえるのか?」と疑問に感じる方もいらっしゃるだろうが、著者によればその答えは“間違いなくイエス”だという。

なぜなら、それこそがセレンディピティと単なる偶然との明確な違いだからだ。

セレンディピティを育むというのは要するに、世界をオープンな目で見て、点と点をつなごうとすることだ。たまたまいいタイミングで良い場所に居合わせたら、何かいいことが降ってくるというのではない。

――19〜20ページより

つまり重要なのは、私たちの心構えであり、セレンディピティが発見されるまでのプロセスに積極的に関与することだ。

それが「単なる偶然」との決定的な違いなのである。

印南 敦史:作家、書評家

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