田沼意次を重用「徳川家治」どんな人物だったのか 大河ドラマ「べらぼう」での描かれ方にも注目
東洋経済オンライン / 2025年1月12日 13時0分
家治はその教えを守り、意次の力を借りて政務を行っていく。いや、力を借りて、どころではなく、政策をほぼ丸投げしていたというべきだろう。
吉宗の孫として期待された家治は、どんな将軍だったのだろうか。
幼少期は祖父・吉宗の影響下にあった家治
徳川家治は、9代将軍・徳川家重の長男として生まれた。だが、「将軍の息子」というより「将軍の孫」として育てられたというほうが実態に近いだろう。家重が、将軍としてやっていくには不安視されるような人物だったことは、すでに書いたとおりだ。吉宗としても息子に継がせるのは心配だったらしい。
家重に将軍の座を譲ったのは、家治が10歳になってからのこと。しかも、将軍から退いたのちも吉宗が大御所として、権勢を振るった。家治は、おのずと父よりも祖父の影響を多く受けて育つこととなった。
吉宗はかつて息子の家重に英才教育を行ったものの、本人にはまったく響かず、徒労に終わった経験を持つ。孫の家治こそ立派になってほしいと願ったらしい。
家治は寛保元(1741)年にわずか5歳で元服すると、和漢は成島道筑、剣術は柳生久寿、槍は小南三十郎と充実した教育スタッフから学ぶことになる。
家治は、まるで見込みがなかった父の家重とは大違いで、教えられたことをどんどん吸収していった。和漢はたちまち上達し、弓術や馬術、鉄砲などの武術にも長けたうえに、書画にも優れて、将棋も強かったという。
家治の幼少期における有名なエピソードが『徳川実紀』には記されている。まだ10歳にもならない家治に、吉宗は唐紙を与えて「これに字を書いてみよ」と書を書くように促した。
筆硯が用意され、家治が紙に「大」の一字を大きく書こうとするも、周囲には、紙が小さくてスペースが足りないように感じたようだ。
「御傍に侍ふ人々いかがなし給ふにやとみまもり居しに」(『徳川実紀』)、つまり、そばで見守る人たちが「どうするのだろう」と見守っていると、家治は少しも躊躇せずに(「いささか滞る御けしきもなく」)、紙をはみ出して畳の上に文字を書き、筆もその場に捨て置いたというから、豪快である。
そんな孫をみて吉宗は「天下を志す者はこうでなければいけない」(天下をも志ろしめされむかたの御挙動かくこそあらましけれ)といって喜んだという。
いかにも逸話めいており、そのまま鵜呑みにはできない。だが、こんなエピソードが広まっていることから、吉宗は孫の家治に大きな期待をかけ、そのことは周囲にもありありと伝わっていたようだ。
伸び悩んだが民思いの将軍だった
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