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「ゲーセン」大激変で中年ゲーマーが排除される訳 中年ゲーマーは嫌?「IPとクレーンゲームの店」に

東洋経済オンライン / 2025年1月13日 8時40分

実際、GiGOは「推し活センター」としての機能を進めていて、12月には、福岡の天神で国内5店舗目となる推し活専門ショップの「fanfancy+ with GiGO」をGiGO内に設置した。これ以外にもコラボカフェを併設した店舗などもあり、「推し活」を意識したさまざまな施策を展開している。

「コミュニケーション」から「消費」の場所へ?

GiGOの方向性は、ゲームセンターの「推し活」化、「クレーンゲーム化」だが、特に後者の「クレーンゲーム」化は、業界全体でも起こってきている。

例えば、パチンコ大手のマルハンは、最近自社のパチンコ店の跡地にクレーンゲーム専門店である「ME TOKYO」を相次いでオープンさせている。異業種から参入するほど、魅力のある業態だということだろう。

いずれにしても、「欲しい商品目当てで行く」という目的を持った行動でゲームセンターに行くことが増えているのは確かだ。

その意味では、ゲームセンターの空間の意味合いも変わってきたといえるかもしれない。

前述した『ゲームセンター文化論』の中で加藤裕康は、ゲーセンを介して、そこに集う人々の間にコミュニケーションが生まれる様子を描いた。若者が集い、たむろする場所としてゲーセンがあったのだ。

そこは、時代とともにさまざまな人を受け入れてきた。例えば、1990年代以降、ゲームセンターは「アミューズメント施設」へと舵を切っていて、プリクラなども増えている(先立つ1984年に風営法が改正されたことが大きい)。

すると、そこにはプリクラを撮るために女子高生が集まる。また、1990年代から、いわゆる「音ゲー」も全盛期を迎え始め、凄腕の「音ゲーマー」がプレイする周りには、見物客が多く集まるようになった。

ある種のコミュニケーションがそこから生まれ、「そこに行くだけでなんだか楽しい」場所として、ゲームセンターはあったのだ。

その客層は異なれど、若者が集まる場所としてゲームセンターは機能していた。そして、それは、あまりたくさんお金を使うことなくいられる場所だったからかもしれない。

これは私自身の経験だが、「音ゲー」は100円でそこそこ長く遊べて、ゲーセンでのたむろを引き起こしていたようにも感じる。ある種の「コミュニケーションの場」だったことは、確かに実感としてある。

一方、現在の「クレーンゲーム」が主体となったゲーセンはどちらかといえば、より「消費の場所」という意味合いが強くなってきつつあるのではないか。

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