習い事で成長する人がやっている"視点"の持ち方 「なぜ?」「どうして?」と疑問を持つことがカギ
東洋経済オンライン / 2025年1月14日 18時0分
茶道や武道の「稽古」と聞くと、敷居が高く古めかしいというイメージがあるかもしれません。しかし、多くの経営者は多忙にもかかわらず、稽古に打ち込んでいます。稽古にはリフレッシュ効果があるだけなく、健康、審美眼、創造力、問題解決力、コミュニケーション力などが高まるからでしょう。
稽古は、AIが持っていない「身体」と「感性」を活かして高度な知性を発展させる方法であり、今むしろ「最先端」なのです。
30年近くにわたり芸術・デザイン・ファッションを通じたブランド戦略に多数関わり、日本文化の魅力を伝えてきた梅澤さやか氏の新刊『エグゼクティブはなぜ稽古をするのか』をもとに、仕事や人生を豊かにする習慣を3回にわたり解説します(今回は1回目)
達人の技はやっぱり「すごい」
茶道で珍重されるゆがんだ樂茶碗や、メッシのサッカーにおけるスーパープレイなど、一見すると「すごい」や「美しい」という一言でしか表現できないほど卓越した技があります。
しかし、なぜそれらがそれほどすばらしいのか、体系的に説明することは非常に難しいものです。
これは、こうした達人たちのアウトプットを支える根本的な法則を、私たちがまだ十分に理解していないからです。
その技術や感性は、長年の経験と訓練によって培われた暗黙知の領域にあり、言葉で説明したり、簡単に模倣したりすることが困難なのです。
そのため、これらの卓越した技や表現のコツを理解し、習得することは容易ではありません。しかし、その背後にある原理や法則を探求し続けることで、私たちは少しずつその本質に近づくことができるかもしれません。
自分が上達したいことのコツがわからないとき、どうすればいいのでしょうか。まだ自分が気づけていない重要な法則があること、そして、それが自分の認識の盲点になっていることを意識する必要があります。
そして、あらゆる観察や体験を通じて手がかりを探し、「問い」を立てればよいのです。それが気づきの要となります。
「なぜ、この樂焼はゆがんでいるんだろうか?」
「なぜ、このサイズなんだろうか?」
シンプルな問いだとしても、時に奥深い気づきを得られることがしばしばあります。深く考えても「わからない!」と思ったことを放置しておいても問題ありません。
ある日、突然、まったく関係なく電車に乗っているときや、人と会話していて聞いた言葉から気づきがひらめいたりします。みなさんも同じような体験をしたことはありませんか?
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