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社外の知恵が生むJR東「驚きビジネス」誕生の裏側 自社では思い浮かばないアイデアが続々登場

東洋経済オンライン / 2025年1月14日 6時30分

「JR東日本スタートアッププログラム」の発表会の様子=2024年11月26日(記者撮影)

今まで見たこともなかったような「驚きビジネス」がJR東日本の周辺で次々に誕生している。

【写真を見る】普段のイメージと異なり、かなりカジュアル。「JR東日本スタートアッププログラム」の発表会の様子

「駅から始まる地域活性化。日本一健全なスナックを作って世代を超えて交流し、孤独を解消しましょう」――。地域貢献型の新型飲食店「街中スナック」を運営するベンチャー企業「イナック」のたなかるい社長が意気込みを語った。

驚きのアイデア「駅にスナック」

2024年11月26日、イナックのようなユニークなアイデアを持つ企業10社が集まり、そのアイデアや実証実験の様子をプレゼンする発表会「JR東日本スタートアッププログラム」が都内で開催された。

イナックは若者・現役・シニアの3世代が交流し新しい出会いを広げるというコンセプトの下、2024年10月には中央線の西国分寺駅や武蔵境駅に移動可能なキッチンカー型のスナックを持ち込み、地域交流イベントを実施。JR東日本の社員もスナックの「ママ」や「マスター」としてカウンターに立ち、来場者を盛り上げた。今年3月には宮城県岩沼市に出店予定。「首都圏と比べて人口が少ない場所でもこのビジネスがうまくいくのか試してみたい」。これらの結果を参考にJR東日本とのさらなる協業の可能性を模索していく。

駅にスナックを作るという既存の鉄道事業の枠組みを大きく超えたアイデアは社外企業ならではといえる。駅や鉄道、グループ事業のリソースを活用して社外から提案のあったアイデアを実現する。有望な企業には出資も行う。JR東日本がこの取り組みを始めたのは2017年4月のことである。

リスク回避の傾向、イノベーションの欠如、意思決定の遅さ……。これらはいずれも「大企業病」の典型的な症状である。そんな大企業病を克服するカンフル剤として期待されているのがスタートアップ企業との協業である。

スタートアップ企業とは新しいビジネスモデルで事業展開を行い、創業から短期間で急成長が見込まれる企業である。経営が硬直化した大企業もスタートアップ企業と協業することでイノベーションを起こす可能性が高まる。スタートアップ企業にとっても大企業のリソースを活用して事業の成長につなげることができるというメリットがある。

そこで生まれたのが、大企業とスタートアップ企業が協業してお互いの事業を加速する「アクセラレータープログラム」という仕組みだ。鉄道業界も例外ではない。JR東日本、東京メトロなど多くの大手鉄道会社がアクセラレータープログラムを活用したスタートアップ企業との協業を行っている。

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