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北朝鮮軍捕虜「ウクライナの人たちはよい人か」 ウクライナ軍に捕虜となった北朝鮮兵士の心情

東洋経済オンライン / 2025年1月14日 14時0分

ウクライナ軍の捕虜となった北朝鮮軍兵士。2005年生まれで2012年に入隊したという(写真・ウクライナ保安局/ソウル新聞)

ウクライナ軍の捕虜となったとされる北朝鮮軍兵士が、「ここで暮らしたい」と言った映像を2025年1月12日、ウクライナのゼレンスキー大統領がSNSを通じて公開した。

また韓国の情報機関・国家情報院(国情院)は、ウクライナ戦争に派兵された北朝鮮軍のうち、死亡者数は約300、負傷者数は約2700人と明らかにした。

ゼレンスキー大統領が映像公開

ゼレンスキー大統領はこの日、ソーシャルメディアの「X」(旧ツイッター)に、ウクライナと国境を接するロシア領クルスクで捕虜となった北朝鮮軍兵士2人を、首都キーウの拘留施設で尋問している様子の2分55秒分の映像を公開した。

ウクライナ保安局(SBU)が国情院の助けを借りて韓国語で行われた尋問には、手に包帯を巻いてベッドに横たわったままの兵士1人に対し、「北朝鮮に戻りたいか」という質問に、少しためらった後、「ウクライナの人々はみんなよい人たちか」と聞き、「ここで暮らしたい」と述べた。

捕虜のうち1人に対し、「今、ここがどこかわかるか」「ウクライナを相手に戦うことを知っていたのか」との質問に、口を開かないまま顔を横に振った。「指揮官は誰と戦うと言ったのか」という質問には、「訓練を実践のように行う、と聞いた」と答えた。

この兵士は捕虜になる前の状況について、「2025年1月3日、前線に出て同僚たちが死ぬのを見た。防空壕に隠れていたが、5日に負傷して捕まった」と説明した。

もう1人の捕虜は「北韓(北朝鮮)に戻りたいか」という質問に、首を縦に振った。「北韓国にいる両親は息子がどこにいるのか知っているのか」と聞くと、首を横に振った。

また「北韓にまた戻りたいか」という質問には回答せず、視線を下に落として沈黙してしまった。通訳が「朝鮮(北朝鮮)に戻りたいか」と再び聞くと、首を縦に振った。

ゼレンスキー大統領は映像公開後の投稿で、ロシアに抑留された自国軍捕虜と北朝鮮軍捕虜との引き換えを提案した。同時に北朝鮮軍には「祖国送還以外の選択肢がある」というメッセージを出した。

これは、ウクライナ戦争に対する国際社会の世論を喚起し、戦況を自国に有利に導こうとする戦略のようだ。

「北朝鮮軍兵士約3000人が死傷」

これと関連し、国情院は1月13日、韓国国会情報委員会が開催した非公開の懇談会で、北朝鮮軍の死傷者数が約3000人に達するという内容を報告したと、与野党の幹事長である与党「国民の力」のイ・ソンギュン、最大野党「共に民主党」のパク・ソンウォン議員が明らかにした。

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