人事部が「社員の人生相談」を聞く"深い理由" 「無駄な離職」を減らすために必要とされること
東洋経済オンライン / 2025年1月15日 18時0分
これまで1万人超の採用・昇降格面接、管理職・階層別研修、また多数の企業の評価会議、目標設定会議に同席し、アドバイスを行ってきた人事コンサルタント・西尾太氏による連載「社員成長の決め手は、人事が9割」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボによりお届けする。
社員が成長し成果を出せると、人事の喜びを実感できる
人事という仕事のいちばんのやりがいは、社員の成長を見守り、その成長を実感できる喜びかもしれません。今回は、そんな人事の喜びについてお伝えしたいと思います。
人事担当者は、ただ見守っているだけではなく、社員のことを多く知ろうとしているので、どういう評価をもらっているのかがすごく気になります。評価が低い社員がいたら「どうしちゃったんだろう」と心配になりますし、評価が高い社員は「良かったね」と思います。自分が採用した人が高い評価を得ると、やっぱり嬉しいものです。
新卒はもちろん、中途採用した社員は、くすぶってしまうケースが少なくありません。焦って成果を出そうとして上手くいかないことが多いので、時間をもらって会って「いやいや焦りすぎですから」と伝えたりします。すると「いやぁ前の会社では……」という話になったりするので、次のような話をします。
「前の会社って言い過ぎると煙たがられるから、しばらくは言わないほうがいいと思いますよ。まだ大丈夫ですから、もうちょっとじっくり周りを見て、この会社の文化や風習もよく見て、それから前の会社の経験を活かしてもらえばいいですから」
その人が、半年、1年くらい経って成果を出せたときは、本当に良かったなと思います。頑張って働く人を応援・支援するのが人事の役割。その環境を整え、社員が成果を出せたときが、人事の喜びの1つですね。
自分が企画した研修で、若手の顔つきが変わった
自分が企画した研修で若手の顔つきが変わったときも、人事の喜びを感じられることの1つです。私が中途採用で入った会社は、それまでほとんど研修というものをやったことがありませんでした。人事制度も整っていなかったので、私はある研修を企画しました。
それは、階層別に1泊2日で社員に集まってもらい、新しい人事制度をつくるための研修です。1日目は、会社の「行動指針」をみんなで考えるセッション。2日目は、評価制度をつくるために部長層・課長層・主任層など、階層ごとに「自分たちは何を求められているのか」を話し合ってもらうセッションでした。
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