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悪質なデータ復旧事業者「レスキュー商法」の手口 多発する「納得できない作業結果と費用請求」

東洋経済オンライン / 2025年1月15日 8時0分

――レスキュー商法に関する協会への相談は、企業と個人のどちらが多いでしょうか。

企業が3割、個人が7割です。ただし企業については、契約書にサインをしている以上、法的に異議を唱えることはできないと判断してあきらめているケースも多々あると考えられ、実際の被害は相談件数を大きく上回っていると想定されます。また企業の場合、数百万円単位の高額請求をされていることが多いですね。

――協会への相談件数は、近年増加傾向にあるのでしょうか。

この5年間で約170件と、件数自体はほぼ横ばい。ただし、事業者の手口の変化と共に、相談内容も変わってきています。

当協会が発足した2009年当時、多く寄せられていた相談は、データ復旧に関して「法外な高額請求を受けた」というものでした。例えば、他社であれば数十万円程度で対応可能な案件に対して、数百万円もの請求を受けたというケースが報告されていました。

「復旧ができなかったにもかかわらず、お金を請求された」という相談も当時からあったのですが、急激に目立ち始めたのはこの7、8年のこと。さらに最近では、事業者が用意したクラウドサービスと抱き合わせる形で顧客に契約させるケースも出てきています。

例えば、顧客に対して復旧費用を50万円と提示したうえで、「復元データの保存先としてクラウドサービスをサブスクリプションでご契約いただくと、復旧費用を20万円に値引きます」と提案し、契約を結ばせます。この契約の問題点は、データ復旧できなかった場合でもサブスク契約は継続されること。つまり顧客は、データが戻ってこなくても、サブスク料金だけを延々と支払い続けることになるわけです。

悪質な事業者の数が増えたのではなく、より巧妙にお金を取るようになっているので、トータルの被害額としては昔よりもはるかに大きいのではないかと推測しています。

「復旧」ではなく「復号」をうたう業者は要注意

――なぜ、個人ユーザーから、情報リテラシーが高いと思われる企業のシステム担当者まで、レスキュー商法の被害者となってしまうのでしょうか。

データの消失はそう頻繁には起きませんので、多くの場合、データ復旧サービスの利用も初めての経験となるでしょう。そのため、通常インターネットでデータ復旧事業者を探すことになります。

そこで検索エンジンの上位に表示されており、実績も大々的にアピールされていれば、信頼できる事業者として認識してしまいがちです。しかし、検索エンジンの上位に表示されているものは、必ずしも事業者の信頼性を保証するものではありません。

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