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3年休職を認めた会社に感謝しても転職する理由 白血病からの復職後も続く仕事と育児の両立

東洋経済オンライン / 2025年1月15日 11時0分

闘病・入院生活を乗り切り職場復帰した筆者が、キャリアと転職について語ります(写真:Luce/PIXTA)

「急性白血病と診断されます」。診断後、即休職、翌日入院。人生に突如発生する「電源オフ」、そんな生活の強制終了をどう乗り越えるのか。

そのヒントになればと願いつつ、「人生における電源オフ」を迎えた経験を振り返ったのが、山添真喜子氏の『経営コンサルタントでワーキングマザーの私がガンにかかったら』である。氏は2018年の8月より、9カ月間、入院した。退院後には、通院による維持療法、コロナ禍、猛暑による体調不良なども加わって、3年超の休職をすることになった。2021年秋に職場復帰した。今回は、キャリアと転職について語っている。

会社に感謝も恩義も感じていた

「この会社に中途入社したとき、長女が1歳だったから、あれからもう16年も経つのだな……」

2024年の年末で転職することを報告する際、あらためて長い間会社にお世話になったことを実感した。16年在籍のうち3年もの間、白血病治療のため休職をさせてくれた会社。突然入院することになったときも、コロナ騒動が落ち着いたのち復職した際も温かく私を受け入れてくれた会社。そんな職場に私は心から感謝していたし、恩義も感じていた。

そんな想いをもっているが、私は転職することを決めた。この決断までの道のりについて、今回は書こうと思う。

「治療が終わった頃、今からVersion 2.0として生きていくんだね、って友達に声をかけられたけど、Version 2.0に私はなれたのだろうか?」。

2021年に書いた著書『経営コンサルタントでワーキングマザーの私がガンにかかったら』の最後に、自分はこれからVersion 2.0として生きていく。そしてトライをしてみたいことを記した。

そこに書かれていたことで、有言実行できたのは、職場で「がん治療と仕事両立」に関するセミナーを企画したり、DE&Iの事務局に参加し、ダイバーシティに関する方針策定をしたりしたこと。ボランティア活動として、製薬会社での講演会に登壇したり交流会に参加したりもした。

行動を起こせなかったのは、女性に特化した医療の推進に関するアクションだ。フェムテックに今でも関心をもってはいるが、新たな取り組みをつくることができなかった。

「すべて希望通りにはいかないな」と思いつつ、復職後の3年間を振り返ると白血病発症前の私とは違う形で勤務したことを痛感した。

病気前と違う形で「仕事と育児」を両立

復職直後は、「リハビリ勤務制度」を使って時短勤務からスタートした。その後フルタイムで勤務したが、以前のような働きかたをして体調を崩したくないという想いと周りからの気遣いもあり、プロジェクトマネージャーの仕事は激減した。

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