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3年休職を認めた会社に感謝しても転職する理由 白血病からの復職後も続く仕事と育児の両立

東洋経済オンライン / 2025年1月15日 11時0分

自分の意志とはいえ、以前のようには貢献できていないという焦りは常にあった。一方で、持続可能なライフスタイルの確立も自分の重要な任務と感じていたので、仕方がないと納得する部分もあった。

対顧客の仕事は減ったが、新しいテーマの事業検討には懸命にトライした。取り組んだテーマは2つ。それぞれ社内のキーメンバーを巻き込んだタスクフォースを立ち上げリードさせてもらった。事業化につながる結果は簡単には出せなかったが、専門的な知見の蓄積や社外ネットワーク構築、情報発信という点では一定の成果を出せたと思う。

復職当時中学3年生と小学5年生だった娘たちの子育ては、相変わらず一大プロジェクトとして仕事を再開後も100%の熱量で向き合った。2024年2月には次女の中学受験を経験したが、いろいろなハプニングや思い通りにならないことがありつつも無事に乗り越え良い結果にも恵まれた。

こう振り返ると、病気をする前の自分とは違うスタイルで仕事や育児をしていたので、自分は「Version 2.0」になっていたのだと思う。

「無事に次女の中学受験も終わったし、2024年は40代最後の年。自分のこれからのキャリアについて考える時間をもとう」と考え始めたのが4月ごろ。次の10年をどう過ごすべきか? 今のまま勤務を続けるのがいいのか? 別の環境に移るのがいいのか? 専門分野・職種を変えるべきか? いろいろな疑問が頭に浮かんだ。

そこで自分と向き合うため、2つのことを計画した。

視界や価値観をリセットする体験

1つがキャリアカウンセリングだ。転職ありきの相談ではなく、今後の10年20年自分がどういった人生を送りたいと考えているのか、一緒に考えてくれるようなカウンセラーを見つけ3回のセッションをもった。

40代、50代の女性へのカウンセリングの実績を豊富にもつカウンセラーとのディスカッションは非常に有意義で、3つのこと、①幼少期から今の自分の振り返り、②自分の強み・自分の大切にしていた考えの整理、③嫌だと感じていることの棚卸し、ができた。

この3つを通じて、目の前の霧が去って視界がクリアになり、あらためて自分の価値観や今後の生活に求めること、そのプライオリティを再認識した。キャリアカウンセラーと対話することで、自分ではなかなか言語化できなかった「自分の進みたい道」を自分の言葉で説明できるようになっていった。

次に計画・実行したのは、久しぶりのヨーロッパ旅行。長めの夏休みをとって、次女と2週間イギリスとスウェーデンを旅した。ロンドンとストックホルムでは25年超のつき合いとなるイギリス人・スウェーデン人の友人家族にお世話になった。

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