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健康志向に応えるチョコ風味菓子の「意外な」原料 「失敗」から誕生、高騰するカカオの代わりに

東洋経済オンライン / 2025年1月15日 9時0分

見た目はチョコレートそのもの(写真:あじかん)

世界中で親しまれているスイーツといえばチョコレート。疲れた時やほっと一息つきたい時、その甘さや口どけ感に癒やされる。

【写真】一時は品薄状態になるほど話題になったチョコレート風味菓子「GOVOCE」のパッケージ

日本でもチョコレート人気は高い。特に2月14日の「バレンタインデー」に向けて例年需要が盛り上がる。

全日本菓子協会によると、2023年のチョコレートの小売金額は約6000億円と菓子類全体の16%を占め、トップの座に君臨する。チョコレートはまさにお菓子の「横綱」だ。

しかし、あらゆる商品が軒並み値上がりする中、チョコレートも価格上昇が著しい。2024年11月分の全国消費者物価指数(2020年基準)によると、菓子類全体では前年同月比5.8%上昇したのに対し、チョコレートは同29.2%も上昇した。

原因は、チョコレートの原料となるカカオ豆の価格の急騰。世界的に需要が拡大する中、カカオの主原産地である西アフリカでは、極端な天候の影響で生産量が減少し、供給不足が起きている。

国産ゴボウでチョコレート

こうした中、にわかに注目を集めているのが、国産ゴボウを使ったチョコレート風味菓子だ。

開発販売しているのは「焙煎ごぼう茶」でお馴染みのあじかん(本社:広島市、東証スタンダード市場上場)。同社はカカオ豆を使わずゴボウを原料としたチョコレート風味菓子「GOVOCE」(ゴボーチェ)の通販を2024年8月から開始した。

2024年11月中旬からナチュラルローソンの一部店舗でも取り扱いを始めている。12月には、朝のテレビ情報番組で紹介されたことで、注文が殺到し品薄状態となった(2025年1月上旬時点)。

本来、チョコレートのおいしさは、カカオ豆の品質が大きく関係するとされている。そのカカオ豆を使わないで、果たしてチョコレートに近いものができるのだろうか。筆者も会社から試供品をいただき、興味津々に食べてみた。

すると、見た目、香り、口どけの滑らかさ、後味など通常のチョコレートと比べてまったく見劣りしない。じっくり味わうと、チョコレートとは異なりゴボウの風味がするが、甘味素材とよく調和している。個人的には、子供向けと言うより大人向け商品との印象を受けた。

同商品は2024年7月、これまでにない斬新さなどが評価され、ジャパン・フード・セレクションでグランプリを受賞。

同社によると、主なターゲット層は40代前後の女性を念頭に置いているという。1袋(12枚入り)の希望⼩売価格600円(税抜)は、スーパーやコンビニなどで販売されている一般的な内容量のチョコレートと比べて割高だが、豊富な栄養素を含む。

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