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健康志向に応えるチョコ風味菓子の「意外な」原料 「失敗」から誕生、高騰するカカオの代わりに

東洋経済オンライン / 2025年1月15日 9時0分

ゴボウの食物繊維が1枚(4.2g)に約0.7g含まれており、2枚でレタス100g以上の食物繊維を摂取できる。ノンカフェインのため健康志向の人たちにも支持されているという。夕食後のおやつやワインなどのお酒のお供にも合う。

そのほか、老化や病気予防になるポリフェノールに加え、果物や野菜に含まれるフラクトオリゴ糖も含まれており、「カラダが喜ぶ設計になっている」(同社開発本部)という。

"失敗作"が誕生の始まり

そもそも同社は、なぜゴボウを使用したチョコレート風味の商品を開発したのだろうか。聞けば、たまたま研究者の失敗から生まれたものだという。

研究部の平尾凌⽒がある日、植物由来のバターを作ろうと何種類かの素材を混ぜたところ、見た目がチョコレートのような物ができてしまった。失敗して捨てようと思った時に、ゴボウの素材を混ぜたらチョコレート⾵味になったことが誕⽣の始まりだった。

その後、後味、香り、口どけなどに徹底的にこだわり、128回もの試作をくり返しながら、素材の完成度を高めたという。

このチョコレート風味を有する食品素材を、同社は「MelBurd」(メルバード)と命名。MelBurdは、Melting(とろける)、Mellow(芳醇な)、Burdock(ゴボウ)を組み合わせた造語だ。そのメルバードを商品化したものが「ゴボーチェ」だ。

同社は15年以上にわたり、ゴボウの機能性研究や技術開発を進め、便通改善効果がある「焙煎ごぼう茶」を市場に投入してきた。

開発本部の龍地泰明氏は、「ゴボウは縄文時代の貝塚から種が出土し、平安時代の文献にも記載がある歴史深い野菜であり、きんぴらゴボウや煮物など、日本の食卓で昔から親しまれてきた」と語る。

しかし、その独特の風味や食感に加え、土が付着しているため調理の手間が敬遠され、近年消費量が減少している。

そうした中、ゴボーチェは「日本の伝統的な野菜であるゴボウの新たな可能性を切り拓く取り組みの一環として誕生した」と龍地氏は話す。

「チョコレート価格上昇の影響を、ゴボウを使ったチョコレート風味菓子の普及を通じて抑え、両方を共存させながら価格を安定させることができれば、社会的に意義がある」(龍地氏)

さらにゴボウへの注目が高まれば、日本の農業の活性化に寄与する。チョコレートは世界中で親しまれているため、国内で「ゴボーチェ」の認知度を高めた後は、海外販売も視野に入れていくという。

単なる代替品にとどまらない魅力

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