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鳥羽シェフ「ビジネスでモテる」ための言語化術 相手の「課題」を見つけてあげることも大事

東洋経済オンライン / 2025年1月16日 19時0分

レストラン「sio」オーナーシェフ、鳥羽周作氏。書籍、YouTube、SNSなどで公開するレシピや、フードプロデュースなど、レストランの枠を超えて様々な手段で「おいしい」を届けている(写真:『モテる仕事論』)

ビジネスシーンで相手の懐に入り、気に入られるためには、相手のウリ(特徴)をいかに「言語化」して伝えるかが鍵となります。ミシュランガイド東京2020から6年連続で掲載されたレストラン「sio」のオーナーシェフ、鳥羽周作さんの著書『モテる仕事論』から、鳥羽氏がいかにして数々のレストランビジネスやプロデュース業を成功させてきたかのノウハウを一部引用・再編集してご紹介します。

相手の大事にしている部分を理解し、言語化する

人は自分のことをわかってくれると思うと、自分を託したくなります。

僕の場合だと、僕の作った料理を食べた人に、全く見当違いのことを言われたら「わかってないな。この人と仕事はしたくないな」と思う。スーパーで買ってきたレモンなのに「このレモンすごくおいしいですね」と言われたら、「何言ってんだろう」と思っちゃうわけです。

相手が大事にしているものを、自分が理解していることを言葉できちんと伝えると、相手は「自分をわかってくれているな」と思う。その作業は、次のステップに進むために必要不可欠。それがわからない人に、その先はないと思います。相手のよさの言語化は、相手をよく見ていないとできません。

例えば、陶芸家の方に、うちの店の食器をお願いする場合を例に取りましょう。

陶芸家は気難しい人が多く、たいてい最初は、すごく警戒されます。でもしばらく話しているうちに、「冷たそうに見えるお皿だけど、これ、実はあったかいですよね」などと言うと、驚きながら「え、わかってもらえます?」と返ってきたりする。その辺から感触が変わってきて、話がうまくいったことが数回ありました。そういう経験が僕の中に蓄積され、確信に変わったのだと思います。

また、レストランに置く家具も同様です。

僕のレストランでは、マルニ木工さんという、広島に本社のある木工家具ブランドの椅子を使っています。その椅子はとにかくなめらかで、座り心地が素晴らしい。

なぜなら、木を磨く高い技術を持った職人さんがいるからです(実際に僕は工場を見学させてもらい、職人さんの仕事ぶりを見せていただきました)。

たいていのレストランは、椅子にクッションを置きますが、僕はそのなめらかさをお客さんに感じてほしいため、クッションを置きません。僕がマルニ木工さんに椅子をオーダーする時、「クッションをつけますか?」と言われたので、「あんなに素晴らしい磨きの技術をお持ちの方が丁寧に仕事した椅子に、僕はクッションなんかつけられません」と言ったら、「そんなことを言ってくれる人は、鳥羽さんだけです」と感激され、それ以来、ものすごく親密になりました。

相手を口説く時に不可欠「ロジックと熱量」

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