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サイゼ「価格据え置きで営業最高益」に見る大変化 逆張り戦略でファストカジュアル化が成功か?

東洋経済オンライン / 2025年1月16日 8時40分

3ヶ月間の決算ながらも、営業利益が過去最高を記録したサイゼリヤ。依然として海外で稼ぐ状況だが、国内にも好転の兆しが見え始めている(筆者撮影)

サイゼリヤの2024年9〜11月期の営業利益が過去最高を記録した。

【画像10枚】「ちょっと味落ちた?」との声もあるが…安すぎるサイゼの人気メニューたち

この好調を支える要因の一つとして報道されているのが、「低価格の維持」。インフレが続く時代だが、サイゼリヤは長い間メニューの値上げを行っていない。それが、より多くの消費者からサイゼリヤが選ばれた原因の一つだという。

その「低価格の維持」に貢献しているのが、サイゼリヤが目指している「ファストカジュアル化」戦略。

今回は、サイゼリヤ過去最高益のニュースから、サイゼリヤの「ファストカジュアル化」への変化と、それを取り巻くファミレス業界について解説していく。

国内サイゼ躍進の「ファストカジュアル化」とはなにか

決算の詳細を見てみよう。

【画像12枚】「ちょっと味落ちた」との声もあるけど…安さはスゴい! サイゼの人気メニューたち

連結の業績で見ると、今回の営業利益は、前年同期比13%増の39億円。

特に大きく改善されたのが、国内事業だ。国内営業利益は前年同期と比べ、2500万円から5億円と20倍になっている。一時は国内事業が赤字になるときもあったから、大きな収益の改善がはかられている。

その躍進のエンジンとなったのが、サイゼリヤが取る「ファストカジュアル化」戦略だろう。

ファストカジュアルとは、「ファミリーレストラン」と「ファストフード」の間に位置するもので、価格帯としてはファミレスよりも安く、ファストフードより手の込んだ料理を食べられる業態だ。

ファストカジュアル化の要点は3つ

「ファストカジュアル化」の要点は3つ。①低価格路線の維持と②メニュー数の削減、そして③店舗数の増加だ。この3つは絡み合っている。

より安く商品を提供するため、サイゼリヤではメニュー数の削減を行っている。メニューを減らせば、物流効率や店舗での作業効率が減る。その分、削れる経費を価格に反映させる……というわけだ。

いわば、ファミレスでありつつも、ハンバーガー含む数品だけが提供されるファストフード店に近付いている。

2023年には秋のメニュー改定に合わせ、通常メニュー141品目を101品目に減らした。こうしたメニューの精選は今に始まったことではなく、サイゼリヤではかねて商品のブラッシュアップを行い続けてきた。

ただ、141品目から101品目への削減はラディカルで、ファストカジュアル化への方向をより鮮明にさせたといえるだろう。

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