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2025年は「子どもの心が動く声かけ」から始める 「リラックスしてね」のいったい何が問題なのか

東洋経済オンライン / 2025年1月16日 11時0分

例えば、スーパーで走り回る子どもに「走らない!」と叱るのではなく、「一緒にカートを押してくれる? 人にぶつからないようにカートを押すゲームね」と声をかけてみてください。これだけで、子どもの意識は「走る」から「カートを押すゲーム」という新しい行動に移ります。結果的に、走る行動が自然と収まります。

また、公園で走り回る子どもには、「どっちが先にあの木まで歩いていけるか競争(競歩)しよう!」と提案するのも良い方法です。そもそも公園は走ってもよいはずですが、人が多くぶつかると危ない場合もあります。そのようなときは人が少なく危険ではないエリアで上記のような提案をすることで、子どもは楽しく行動を切り替えることができます。

さらに、「歩こう」という指示にプラスして、具体的な状況や理由を添えると効果的です。「このスーパーはたくさんの人がいるから、ぶつからないようにゆっくり歩こうね」と言えば、子どもも納得しやすくなります。

次に、人前で緊張しやすい子どもへの声かけについて考えてみましょう。子どもが発表の前に緊張している様子を見て、「リラックスしてね」と声をかけたくなる親御さんも多いはずです。しかし、この言葉が逆に子どもの緊張を強めてしまうことがあります。

「リラックス」という言葉が、かえって「自分は今緊張している」と意識させてしまうのです。その結果、子どもはさらに固まってしまうことがあります。

このようなときは、「楽しんできてね!」と言い換えてみましょう。「楽しむ」という言葉は、ポジティブなエネルギーを生み出します。子どもが「楽しもう」と思うことで、緊張が和らぎ、自然とリラックスした状態になるのです。

スポーツ選手が試合の前に「自分のプレーを楽しもう」と自分に言い聞かせることがあります。近年のオリンピック選手が試合前に「楽しんできます」とインタビューに答え、試合後は「楽しかったです」と答える姿を多く目にするにつれ、時代は変わったものだなと感じます。

昔も「楽しんでいる人が勝っていた」のですが、それを表に出してしまうと当時の社会的風潮から「楽しむとは何事だ! 真面目にやれ!」とクレームがつくため、なかなか言えなかったのです。そのため、「頑張る」「努力する」「真面目にやる」という緊張を誘発する言葉しか使えませんでした。しかし、現代は異なります。「楽しむ」マインドが最強であることはすでにアスリートの世界では常識になりつつあります。

日常の場面で「心が動く声かけ」を実践する

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