ホンダ「CR-V e:FCEV」水素で走るクルマの現実味 水素ステーションの絶対的な不足と水素価格高
東洋経済オンライン / 2025年1月18日 10時0分
FCEV(燃料電池車)であり、PHEV(プラグインハイブリッド車)でもある、ホンダ「CR-V e:FCEV」にホンダのテストコース「鷹栖プルービンググラウンド」(北海道上川郡)と、公道(東京都内の一般道路と高速道路)で試乗した。
【写真を見る】ホンダの燃料電池車「CR-V e:FCEV」の内外装を見る(16枚)
法人/個人のリース専用販売方式をとる同車両の価格は809万4900円。ここからCEV補助金で255万円、東京都であれば135~145万円程度の助成金が出るから実質400万円台で手に入る。数年前まで原価1~2億とも言われていたFCEVがPHEVとなって400万円台とは、リース販売とはいえ魅力的だ。
【写真】ホンダの燃料電池車「CR-V e:FCEV」の内外装を詳しく見る(16枚)
充電&水素ステーションの数について
しかし、業務や日常で使うとなると考慮すべき点がある。水素の充填だ。CR-V e:FCEVは水素と電気を使って走る。電気は自宅や公共の充電ステーションなどで充電するのでBEV(電気自動車)と同じ考え方。ゼンリンが2024年12月に公表したEV充電スタンドデータによると、日本には急速充電が1万455口、普通充電が2万1845口ある。
一方、水素を充填する水素ステーションの数は圧倒的に少ない。次世代自動車振興センターによると、2024年12月現在、全国155カ所で、首都圏と中京圏に約60%が集中している。ステーション内で水素を製造するオンサイト式ともなれば建設費も高額で5~7億円、さらに運営費も5000万円/年程度かかる(日本ガス協会調べ)。
また、肝心の水素価格もなかなか下がらない。国ではNm3(ノルマルリューベ)あたりの水素単価を2050年に向けて現在の1/3にすることを目指すが、現時点の水素価格は1650〜2200円/kgで推移し、2024年にはむしろ値上がり傾向だった。
ちなみにCR-V e:FCEVの場合、水素1kg(≒11.2m3)で129km走行できる(WLTCモードでのホンダ測定値)。さらにCR-V e:FCEVはPHEVなので、水素フル充填と電気フル充電のエネルギーを合算した際の航続可能距離は621㎞(同)と、ここは十分実用的。
では、FCEVの未来は暗いのかと言えば、筆者は必ずしもそうではないと考える。各所が取り組んでいるFCスタックの出力密度を上げつつ、耐久信頼性を向上させる術が確立され、並行して国が主導となって水素単価を下げれば道は拓ける。
この記事に関連するニュース
-
WR-VやZR-Vと似た車名の多いホンダSUVの選び方 国内で購入可能なモデルを網羅、狙い目は?
東洋経済オンライン / 2025年1月14日 9時30分
-
豊田章男会長の戦略は正しかった…「パリ市内を走るタクシーの大半が日本のハイブリッド車」という衝撃事実【2024下半期BEST5】
プレジデントオンライン / 2025年1月6日 7時15分
-
BMWのキーマンが明かす「パワトレと水素」戦略 内燃エンジン車、BEV、FCEV…魅力ある車を作る
東洋経済オンライン / 2024年12月23日 12時0分
-
1000万円超え! トヨタが超高級「アルファード/ヴェルファイア」発売! 306馬力ハイパワー×6人乗りミニバン誕生!? PHEV追加で1月31日発売へ
くるまのニュース / 2024年12月20日 17時30分
-
ホンダの新型「SUV」2年ぶりに“国内”復活! ガソリン不要な“超スゴイ”システム搭載! 「お手ごろ」ガソリン車の追加はある!? 新「CR-V」に期待される「次なる一手」とは
くるまのニュース / 2024年12月20日 16時10分
ランキング
-
1毛量を減らしたいときに「すいて」とオーダー 実はかえって髪が膨らむことも 現役美容師に聞く“注意点”
オトナンサー / 2025年1月17日 20時50分
-
2「やめて…逆走自転車」 何でもアリじゃないのに…無法地帯状態!? 取り締まり強化も違反行為跡を絶たず! 道交法での扱いは?
くるまのニュース / 2025年1月17日 16時40分
-
3「フジテレビの疑惑」は氷山の一角である…女子アナがいまだに「大物芸能人の接待」に利用される本当の理由
プレジデントオンライン / 2025年1月17日 20時45分
-
4炊飯器でごはんが炊けたあと、「すぐほぐす」「待って蒸らす」どちらが正解? 【家電のプロが解説】
オールアバウト / 2025年1月17日 21時10分
-
5がんや虫歯を“検知”する歯ブラシ開発「歯医者の必要ある時に知らせてくれる」と開発者 日本でも意識高まる
よろず~ニュース / 2025年1月17日 21時50分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください