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ホンダ「CR-V e:FCEV」水素で走るクルマの現実味 水素ステーションの絶対的な不足と水素価格高

東洋経済オンライン / 2025年1月18日 10時0分

また、化石燃料の代替として「小さな発電所」となり、電気エネルギーを生み出すFCスタックは、目的に応じて発電を制御したり、数を増やしたりする(並列させる)ことで、小型車から大型のトラック/バス、建設機械、定置発電設備まで、枠に囚われない電動化社会の実現を下支えすることも可能だ。

筆者は過去、トヨタの燃料電池バス「SORA」のプロトタイプに公道で試乗し、さらには立ち席の乗客として現在もたびたび乗車しているが、運転感覚はやはりBEVそのもので、立ったままの乗車でも滑らかさが際立っているから安心だ。

課題だったFCスタックの寿命が向上

改めてCR-V e:FCEVの特徴はどこかといえば、FCスタックの課題のひとつである経年劣化(≒発電効率の低下)に対して、大容量(17.7kWh)の二次バッテリーからの給電を頼りに延命を図ったことにある。

普段はFCスタックに余裕をもたせて発電させて性能と寿命をバランスさせながら、二次バッテリーからの給電で長い航続距離を確立。急加速時や高い速度域で走る場合にはFCスタックと二次バッテリーの共演で大きく発電し、求める走行性能を実現するという考え方だ。

さっそく、試乗する。2002年12月、世界で初めてアメリカの燃料電池車販売認定を取得したホンダ「FCX」の日本における試乗以降、歴代のホンダ燃料電池車に試乗してきたが、CR-V e:FCEVはFCEVの常である空気を吸い込むブロアー音(ブワッ~という電動ファンに似た低く唸る音)が全開走行であってもほとんど聞こえない。

FCスタックは水素と酸素の化学反応で電気エネルギーを生み出す。よって、たくさん発電する場合(例:急加速など)には酸素がたくさん必要になる。CR-V e:FCEVでは、酸素を取り込むための電動ターボを小型高回転型として効率を高め、低圧縮型として先のブロアー音を押さえ込んだ。

ホンダが2016年にリース販売した「CLARITY FUEL CELL」から、電動駆動モーターの音を12dB、ブロアー音7.5dBそれぞれ低減。FCスタック/駆動モーター&ギヤボックス/電動ターボ/エアポンプを一体化したことで音の発生源が抑えられ、内燃機関モデルとフロントサブフレームのマウント(ブッシュ類の減衰特性は重量増に合わせて調整済)の共有化が図られたことから振動の発生源をも抑制している。

一般化しつつある電気自動車と変わらぬ走り

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