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ホンダ「CR-V e:FCEV」水素で走るクルマの現実味 水素ステーションの絶対的な不足と水素価格高

東洋経済オンライン / 2025年1月18日 10時0分

乗り味はまさしく充電のいらないBEVだ。ハイブリッド機構はホンダの代表的な仕組みである「e:HEV」と同じ考え方。巡航時など一定の発電量で済む場合はFCスタックだけで電動駆動モーターに電力を供給するモードもある。

走りの性能を左右する電動駆動モーター(定格出力60kW/最高出力130kW、最大トルク310N・m)は前輪のみ。つまり駆動方式はFFだ。モーターの回転上限から最高速度は160km/hだが、テストコースで確認するとメーター上は167km/hまで伸びた。パフォーマンス全振りのBEVのような速さはないが、大人3名乗車+荷物を積載した状態であっても不足のない性能だ。

CR-V e:FCEVのベースは、アメリカ市場でホンダ最多販売台数を誇るドル箱的存在の「CR-V」。1.5Lターボ(車両重量1520kg)、2.0L e:HEV(シリーズハイブリッド)(同1700kg)、2.0L PHEV(同1800kg)、そしてCR-V e:FCEV(同2010kg)と、すべてのパワートレーンをひとつのシャーシで成立させたマルチプラットフォームを採用する。

e:FCEVでは車両前部にアルミバンパービームを新作としつつ、水素タンクを抱えるリアフロアでは後面衝突に対応させたが基本骨格は全パワートレーン共通。

ハンドリング性能はさすがホンダだ。ガソリンハイブリッドモデルに対して重心高を11mm下げ、前軸荷重を0.8%増加。ダンパーは振幅感応型として連続可変的な減衰力を生み出しつつ、スプリングのバネレートを上げて重量増加に対応。大きな入力(路面の凹みなど)に対しても鉛直方向の揺れは一発で収束。後輪サスペンションの取り付け部にはリアスプリングベーススティフナーで剛性を高めた(タイヤはハンコック Kinergy GTでオールシーズンタイプ)。

GMと共同開発したFCスタック

中枢のFCスタックはホンダとGMによる共同開発。新たにモジュール化されたFCスタックは「e:FUEL CELL」を名乗り、出力92.2kWを誇る。CR-V e:FCEVでは2本の水素タンク計109Lに70MPaの水素(約4.3kg)を充填(3分間)する。

水素タンクを搭載しているがラゲッジルームは使いやすい。さすがにベースのCR-Vよりも狭くなるが、円柱型の水素タンクを平らなボードで覆うことで、その上部も積載スペースとなるように工夫を凝らした。

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