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フジCM出稿停止「企業の判断」が間違ってない理由 懸念のあるメディアへの出稿はリスクでしかない

東洋経済オンライン / 2025年1月19日 17時10分

しかし、それはビジネスの構造上、どうしようもない面もある。もっとも大事なのはスポンサーだから、スポンサーの意図を汲まなければならないし、スポンサーがもっとも偉い。繰り返すと、これは構造上の問題である。

次に、CMの差し止めについて触れる。これは同社とスポンサーの契約によるものの、おそらくCMを差し替えてもスポンサー料は戻ってこない。

明確にフジテレビが不祥事を起こしたと証明されたわけではない。ただ、対応の様子を見て総合的に判断した、という意味だろう。番組にCMを出しているスポンサー企業としては、視聴者から「今この状況でも、CMを流し続けている」と思われることがネガティブなのだと、判断したわけだ。

第三者委員会ではなく「第三者的な委員会」

フジテレビは、日弁連が定義するところの第三者委員会ではなく、あくまで第三者的な委員会であるとした。「第三者の弁護士を中心とした委員会」なのだ。

この二つの定義は、さまざまな論者が解説している。完全に独立して報告内容を自由に発表できる前者にたいし、後者は会社の息がかかる……という説明は単純すぎるかもしれない。

ただ、港浩一社長があえて日弁連的な第三者委員会ではないと断ったため、「自社に有利な調査になるのではないか?」と懸念を抱かせるには十分だった。

これはフジの背景とはだいぶ異なるとわかっているが、企業と広告をめぐる事案と思い出されるのが、「Stop Hate for Profit」キャンペーンだ。2020年にFacebookがヘイト発言を放置していたことから、始まった「Stop Hate for Profit」キャンペーンである。

さきほどメディアはスポンサーがもっとも偉いと書いたが、ネット関連企業も同じだ。広告ビジネス以外に、有効な収益源は発明されていない。だからテレビと同じく、スポンサー企業が重要だ。

大手でいえばコカ・コーラ、スターバックス。日本ではホンダなどが同プラットフォームへの出稿を一時とりやめた。新たな広告チャンネルへの出稿検討が加速。これによりFacebookのポリシーは変更を余儀なくされた。

スポンサー企業も、株主のものだ。株主からすれば、懸念のあるメディアに出稿することは企業価値が毀損するように映る。またスポンサー企業のブランディングが陰るとも印象を受ける。

また、SDGs/CSR/ESGの時代のなかで、誤ったメッセージを消費者に与えかねない。もし社会的によろしくない行為によって成立している取引先があるとする。その取引先によって自社が成り立っているとすれば、そもそも自社のビジネスモデルが成り立っていないということである。

真に恐れるは差し替えではなく、広告の無期限停止

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