フジ「相次ぐCM出稿停止」よりキツい最悪の展開 不信感が募れば、視聴者もスポンサーも去るだけだ
東洋経済オンライン / 2025年1月20日 16時50分
たとえその気がなくても、「質問をコントロールしたい意図」を邪推されてしまうと、批判の対象になり得るのだ。加えて、「情報公開したというアリバイとしての会見」にも感じさせてしまう。
いずれにせよ、どこか後ろ暗いことがあるのではと、推測する余地を生んでしまうのだ。
制限のかかった記者会見といえば、1月15日に行われた、元広島県安芸高田市長の石丸伸二氏の「新党結成会見」も、話題になった。記者クラブ宛ての案内文が、ネットに流出したことにより、「誰が来るかわからない状況は種々のリスクが高い」(石丸氏のX投稿より)と判断。
会場を変更の上、記者クラブ会員社などのほか、「登録者数100万人相当のネット媒体」を対象にしたことから、事実上の「フリーランス締め出し」だと問題視された。
「取材する側」としての姿勢
石丸氏は「昨今は自称メディアが乱立しているため、費用対効果を考えて、実力のあるメディアに参加を制限しています」と、制限をかける意図を説明しているが、メディア関係者を中心に批判はやまない。
ただ、フジ会見と石丸会見は「制限だらけの会見」である点は共通しているものの、そもそもの立て付けが異なる点には留意する必要がある。
ネガティブな疑惑弁明と、ポジティブな新党結成では、会見に求められる姿勢も異なる。また、石丸会見は同時配信を許していたため、リアルタイムで情報が流れていた点は評価したい。
加えて、フジの場合は、みずからが「取材する側」でもある。大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の新居報道をめぐっては、周辺住民にも取材を行い、大谷選手が激怒したとされる。
その印象が薄れる間もなく、今回の会見が行われたことで、「人のプライバシーは詮索するのに、自分たちは保身に走るのか」と視聴者の印象は悪化している。
そこに、昨今の「オールドメディア」批判が、掛け合わされる。近ごろのSNSユーザーは、とかく「オールドメディアV.S.ネットメディア」「既得権者V.S.改革派リーダー」といった対立軸に持ち込み、そのどちらかを支持し、相手サイドをこき下ろしがちだ。
「相手の立場になって考える」視点
匿名であるのをいいことに、「悪は徹底的にたたきのめす」と、まるでゲーム感覚で攻撃して、スカッとした気持ちになる。
そこに欠けているのは、「相手の立場になって考える」視点だ。そのためには、意見は人それぞれで、多様性があると知る必要がある。価値観のバリエーションを保つには、会見のような情報提供もまた、あらゆる人に門戸を開く必要があるのだ。
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