「隣の芝生は青い」若手を離職させる3つの"引力" 3~5年目の若手社員を「プロにする」には?
東洋経済オンライン / 2025年1月21日 15時0分
このような意識の違いを埋められないと、若手社員はやがて離職を決断するだろう。
"3つの引力"への対応策
会社や上司が直接的に3つの引力をコントロールするのは難しい。会社や上司にできることは、引力に引っ張られすぎないように導くことだ。一般的に、会社への帰属意識が低い若手社員ほど、引力の影響を強く受けてしまう傾向がある。
3~5年目の若手社員は、もう見習いの時期ではない。見習いマインドから脱却させ、組織の一員としての責任感を持ってもらわなければいけない。ひと言で言えば、プロフェッショナル化を促すということだ。筆者は、「Private引力」「Recruiting引力」「One-pattern引力」の頭文字を取って「PRO化」と呼んでいる。
若手社員のプロフェッショナル化(PRO化)を促すためにはどうしたらいいだろうか。上司に心がけていただきたいポイントを3つ紹介したい。
●評価を客観視させる
実際は成長しているのに「まだまだ力が足りない」と自分を卑下している若手社員もいれば、まだまだ成長の余地があるにもかかわらず「もう学べることはない」と慢心している若手社員もいる。いずれも、自己認知と他者認知にギャップがある状態だ。
このような場合、上司は部下に自己認知と他者認知のギャップを示し、改善すべき点を認識してもらう必要がある。とはいえ、この時期の若手社員は上司の言葉を素直に受け入れられないこともある。そのようなときは、「360度サーベイ」を使うのが効果的だ。
「360度サーベイ」とは、上司だけではなく、同僚や部下を含めた複数名が、日々の職務行動を評価するための調査のこと。1人の上司の意見は、その上司の主観に左右されるため、どうしても部下の納得感は低くなる。だが、360度サーベイを使って周囲の意見を伝えれば、自分を客観視しやすくなる。
●スキルの棚卸しをする
毎日、同じ業務に向き合っていると「このまま、今の仕事を続けていても別の部署や他の会社では通用しないのではないか……」といった焦りを覚えることがある。そんなとき、自分のスキルの棚卸しをしてみると、意外と他の仕事でも通用するスキルが身に付いていると気付くものだ。
プロフェッショナルとして自信を持って働いてもらうためには、若手社員に自分の市場価値を認識してもらうことも大切である。加えて、会社で習得できるスキルを明示してあげれば、将来に向けた市場価値の高め方も見えてくるだろう。
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