「AIで復活の故人が喋る」不気味の谷より心配な事 日本で始動したAI故人ビジネスの実情を追う
東洋経済オンライン / 2025年1月21日 9時40分
日本でも、2022年4月にメタリアルとオルツが故人にも対応したAIパーソン生成サービス「メタリユニア」の開発を発表した。同年のうちにデモムービーまで披露し、ローンチ直前と思われたが、同年サービス開始の予定がいまだ表立った動きが出ないままとなっている。
一方、中国や韓国ではすでに実働しているサービスもある。2024年3月に南京市で創業したITベンチャー・超級頭脳(超级头脑、Super Brain)はスマホの画面越しに対話が可能なAI故人サービスを開発し、少なくとも1000件を超えるアバターを生み出している。
しかし、公式サイトの「業界動向(行业动态)」コーナーにリンクされた報道機関からの取材記事に目を通すと、多くは倫理的な課題の指摘が末尾に添えられている。他の実働サービスの周辺を探っても、同様の警戒心をまだ拭いきれずにいる様子だ。
故人の画像や音声、SNSの投稿などからアバターを作り出す技術は日進月歩で進化を遂げている。にもかかわらず、世間と提供元を隔てるこの壁は高くて分厚いままだ。決定的な風穴を空けるような“発明”は、世界中を観察してもまだ見つけられない。
2040年を見据える
そうしたなかで、アルファクラブ武蔵野はなぜあえてAI故人サービスに乗り出したのだろうか? 同社で取締役を務め、Revibot事業を立ち上げた小川誠氏はこう語る。
「日本人の死亡者数がピークを迎える2040年を見据えて動いています。その頃に必要とされるサービスになればと」
国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(令和5年推計)」によると、日本人の年間死亡者数は2040年の166万5000人まで上がり続けて、後は漸減していく(※死亡中位の推計)。
死亡者が増えている間は葬儀件数も増えるが、縁者の高齢化も進んでいるので、皆が葬儀会場に集まって通夜に葬儀・告別式、火葬などまで立ち会うのは難しい状況が増えている。また、経済的な事情から盛大な葬儀が実施できないケースも増えた。葬儀業界をとりまく環境は年々厳しさを増している。
「葬儀は年々コンパクトになっています。我々の葬祭事業でも、やがてはご遺体を火葬場に搬送することしか求められなくなるかもしれません。それでも故人様を偲びたい思いまではなくならないはずです。その思いに応える新たな手段を模索しているのです」(小川氏)
2024年9月にVR墓地サービス「メタバース霊園 風の霊」を立ち上げたのもその一環だ。スマホやパソコンでログインすると、故人の写真や動画が掲げられた専用ルームにアクセスできる。タイミングをあわせれば他の縁者とチャットしながら追悼することも可能だ。
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