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トランプ氏就任式に見た「男社会」への揺り戻し ビリオネアも民主党重鎮もいつの間にか"迎合"

東洋経済オンライン / 2025年1月21日 14時0分

就任宣誓式にはイーロン・マスク氏のほか、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏などテック界の重鎮も多く参加した(写真:Kenny Holston/Bloomberg)

「トランプ」「MAGA(メイク・アメリカ・グレート・アゲイン)」と書かれた赤いキャップやマフラー、そして「トランプ、トランプ!」という掛け声が、アメリカの首都ワシントンを埋め尽くした。

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1月20日に行われたドナルド・トランプ氏の大統領就任式。浮かび上がったのはこれからのトランプ2期を象徴するであろう「白人」「男性」の"復権"というキーワードだ。

ワシントンで見た"異様”な光景

ワシントン特別行政区は、民主党大統領候補だったカマラ・ハリス元副大統領が敗北したとはいえ、90%以上得票したリベラル派市民が圧倒的に多いエリアである。

そこを闊歩する赤いハットの人々は、トランプ氏が当選しなければ「浮いた」存在だったはず。しかし、トランプ支持者らはこの日、リベラル民主党から”もぎ取った”トランプ氏の再選と就任に自信を見せ、歓喜していた。

「一生に一度の思い出になると思って来た」と話すのは、ヘルスケア関連サービスに関わるスーザンさん。「トランプは、この国をもっと良くしてくれる。この国にベストなのが彼だ。興奮している」と笑顔だ。

トランプ氏は就任演説で「今日はリベレーション・デー(解放の日)だ」として、バイデン前政権を全否定する姿勢を示した。「アメリカの黄金期は今から始まる」とも強調したが、今後、アメリカが何から解放され、どうやって黄金期に向かうのかは明確にはしなかった。

ワシントンはこの日、零下5度の寒波に襲われた。このためトランプ氏は急遽、伝統的に連邦議会議事堂の屋外で行っていた就任宣誓式を屋内に変更。このため、早いもの順で約2万人だけがスポーツ競技場でスクリーンから就任式を見られるようになった。

こうした中、正午の宣誓近くになると、競技場に入れなかった人々が中心部のスポーツバーに殺到。飲み物の注文もせずに、立ち見で宣誓を見守った。

筆者も競技場に入れなかったので、正午の15分前に高級バーに潜入。共和党・民主党の両党が仕切る式で、民主党関係者が出るたびにブーイングが起きる。反対にJ.D.バンス副大統領やトランプ大統領が画面に映るだけで、大歓声だ。宣誓直後は、「U.S.A.、U.S.A.!」の掛け声が沸き起こった。

女性による「ウィメンズ・マーチ」は勢い失せる

2017年の第1期の就任宣誓式直後は、ワシントンだけで約50万人、全米各地で数百万人が集合した女性による反トランプデモ「ウィメンズ・マーチ」が席巻した。歌手のマドンナまで演説に立ち、ワシントンでは過去最大のマーチだったが、今年は名前を変えた「ピープルズ・マーチ」が数千人で行われただけ。

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