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いすゞ「エルフミオ」物流業界の救世主になるか 普通免許、AT限定で乗れるトラックの必要性

東洋経済オンライン / 2025年1月22日 9時30分

そのエルフミオに公道(一般道路と都市高速道路)で試乗した。試乗車は「平ボディのシングルキャブでフルフラットロー、後輪ダブルタイヤ仕様」という販売の主軸となるグレード。最大積載量は1250kgで、車両/積荷/乗員を含めたGVW(車両総重量)は3425kg。街中を走る小型トラックの多くが最大積載量の半分ほどの積荷であることから、今回は約500kgのバラストを積載して試乗した。

なお、地面から荷台までの高さは「フルフラットローの後輪ダブルタイヤ」仕様なので830mm。これが「フラットロー」なら785mmとなり45mmも下がる。一般的な国産乗用系SUVの運転席におけるヒップポイント高(地面からお尻まで)が700~750mm程度なので、いかに低いか想像できるはずだ。

搭載エンジンは「RZ4E」型を名乗る直列4気筒1898cc直噴ターボで、最高出力120PS(3000~3200rpm)、最大トルク320N・m(1600~2000rpm)を発揮する。ボア×ストローク比は1.18のロングストローク型。

現時点、4×2の後輪駆動方式のみだが、市場からの要望を踏まえ4×4の全輪駆動(4WD)方式も開発を進めているようだ。トランスミッションは流体トルクコンバーター方式の6速ATのみ。燃費数値はWLTC総合値で10.8km/L(市街地9.1km/L、郊外11.3km/L、高速道路11.5km/L)。実燃費はかなり良く、試乗途中に確認した車載の燃費計では、10.6km/Lを表示していた。

ボディサイズは全長4690mm、全幅1695mm、全高1960mmと4ナンバーサイズで、ホイールベースは2500㎜。最小回転半径は4.4mと軽自動車のスズキ「アルト」と同じ値。この4.4mの実現には相当なこだわりがあったという。当初4.4m以上の値で販売する予定だったが、「少しでも取りまわしを良くしよう!」という一心から設計の80%以上が完了した時点で立ち止まり、再設計を行った。

今回の試乗では狭い道にも入ってみたが、タイヤの切れ角が大きくフロントのオーバーハングが短いため鼻先はどこでも入っていく。これは運転経験の少ないドライバーにとっても安心材料になる。とはいえ、車体後部には荷台が伸びているので、慣れるまでは狭い場所での取りまわしに注意が必要だ。

トラックとしては乗降性の良さも魅力的

さっそく運転席に乗り込む。兄貴分の小型トラック「エルフ」よりもタイヤサイズを小径化したことでシート座面のヒップポイントが低くなり乗り込みやすい。乗用車のようにヒョイとはいかないが、一般的な小型トラックよりも低いため苦にならない。これは降りるときも同じで、たとえば滑りやすい路面での降車時は地面が近いと心理的な安心感へとつながる。

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