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「Xへの不適切投稿」で見えてくる看護師の"問題" 「医師や患者への不満」をつづった裏にあるもの

東洋経済オンライン / 2025年1月22日 11時0分

現在、調査を行っていると発表した千葉大学医学部附属病院(写真:MARODG /PIXTA)

1月初旬、看護師とおぼしき人物のX(旧Twitter)での不適切な投稿が、話題になりました。これらの投稿を問題視する意見がある一方で、投稿を読んだXのユーザーからは、同意する投稿もあります。

【画像で見る】千葉大学医学部附属病院がウェブサイトで発表したコメント

投稿の真相はまだ明らかになっていませんが、現時点で確認できる本件の問題点と、そこからみる看護師の境遇について、看護師である筆者が解説したいと思います。

同業者として目を疑う内容

衝撃的な投稿があるとX(旧Twitter)がざわつき始めたのは、2025年1月6日のこと。問題視された投稿を別のユーザーがまとめ投稿したことで広がり、新聞などでも取り上げられました。

その後、アカウントは削除されましたが、自身の業務に関することや医師や患者への不満がつづられたもののほか、医療従事者としてのあり方を問いたくなるものもありました。

筆者も、実際にいくつかの投稿を目にしましたが、その内容に目を疑うようなものもありました(以下の「」内は原文ママ)。

「体位交換まじサボりすぎたら褥瘡発生させたわ」
「インシデントおきても普通に隠蔽してしまう」
「患者の口腔ケアずっとサボってたら流石に怒られた」
「プリンペランを投与してたつもりが、間違えてラシックス投与してた!因みにダブルチェックは面倒だからしてない」
「看護師人生7年の中で1番タチの悪い最悪な患者だよ!少しは申し訳ないって思わないのかよ!〇ね!優しくできねーわ!」
※プリンペランは吐き気止め、ラシックスは利尿剤

なかでも、適切な看護ケアを行っておらず、また指示された薬とは違うものを投与したと推察される内容は、もはや不適切な投稿を超えて、医療ミスや、患者への虐待ともとれるものです。

職員を「9日に自宅待機を命じた」

この事態を受けて、投稿者が勤務するとみられる千葉大学医学部附属病院は、ウェブサイトで1月8日と10日にそれぞれコメントを発表。

調査対象となっている職員を「9日に自宅待機を命じた」としたうえで、「まだ断定できる事実はなく、今後も、内部調査を慎重に進めるとともに、必要に応じて外部調査も行ってまいります」と表明しており、続報が待たれるところです。

筆者は、この件は次のような問題があると考えています。これらは医療安全を揺るがすことにつながり、患者への不利益は計りしれません。

・体位変換をしない、口腔ケアをサボる → 看護師としてやるべきケアを怠り、褥瘡が悪化するなど患者の健康状態を悪化させた
・ミスを隠蔽 → 医療安全の無視
・誤薬を投与 → 医療ミス(医師の指示と別の薬を投与する)
・同僚への誹謗中傷、個人情報特定、患者を否定し虐げる発言 → 倫理違反

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