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「Xへの不適切投稿」で見えてくる看護師の"問題" 「医師や患者への不満」をつづった裏にあるもの

東洋経済オンライン / 2025年1月22日 11時0分

一方で、「インシデントおきても普通に隠蔽してしまう」「ナースコール連打の患者に暴言吐いちゃったわ」といった投稿では、対応に問題があるという大前提のうえで、投稿者の「気持ちはわかる」といった反応も確認できます。

では、その背景には何があるのでしょうか。看護師のおかれた状況について、データや筆者の経験をもとにお伝えします。

現在、就業する看護師の人数は132万人(2020年)で、そのうち病院に勤務する看護師は約101万人(77%)と、最も多くを占めます。

しかし、特に大学病院などに勤める看護師の労働環境は、ときに心身の負担が大きいものとなりがちです。

例えば、大学病院や総合病院に勤務する看護師の多くは、2交代または3交代の勤務で、患者のケアにあたります。夜勤は長いと16時間もの長時間労働になり、少ない人数で緊急入院や急変、看取りの対応も行います。

労基法で決められている2時間の休憩時間を満足に取っている看護師は、そう多くはないと思いますし、病棟に勤務する看護師の約34%が、1カ月の夜勤時間数が72時間以上となり、交代勤務にかかる心身負担の重さも懸念されています。

昼夜問わず患者からのナースコールが鳴るなかで、人の命に関わる現場にいるという緊張感から、強いストレスにさらされているのも事実です。

ナースコールには本当に必要なものもありますが、「話し相手になってほしい」と5分置きに鳴らす、「(歩けるにもかかわらず)テレビカードを買ってきて」といった程度のものもあります。

社会が抱く「白衣の天使」像

コロナ禍を経験し、多くの看護師が専門性を発揮し、活躍していることが改めて社会に認識されました。

一方で、この頃は男性のなり手も増えてきたものの、女性が9割を占める 職業であることから、「優しい」「献身的」など、母性の役割を期待された“ステレオタイプ”が根強くイメージされがちです。

実際、看護師募集のチラシやポスター、ウェブサイトを見ると、看護師の女性が患者の手を握り、患者と目を合わせ微笑む姿がそこにある――という感じのものがほとんどです。そして、こうした社会から持たれるイメージに応えようと、無意識にイメージ通りでいようとする看護師もいると思います。

そしてもう1つお伝えしたいのは、看護師の仕事は「感情労働」という一面があるという点です。

患者が治療や療養をしているなかで抱える不満や不安、怒りなどのストレスは、最も身近である看護師に向けられることが少なくありません。

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