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「失敗は成功のもと」を鵜呑みにしている人の盲点 リスクを「リスクでなくする」ためのプロセス

東洋経済オンライン / 2025年1月23日 13時0分

結果を出せるのは「無駄に気づき、その無駄を改善してきた人」だという(写真:Fast&Slow/PIXTA)

「失敗は成功のもと」。多くのビジネス書や自己啓発書で声高に謳われるこの格言について、医師でありながら、これまで自己啓発の本を80冊以上書いてきた、いのうえ歯科医院理事長の井上裕之氏は「取り扱い要注意」の言葉だという。

そんな井上氏が提唱する、「失敗」を「成功」に結びつけるために必要なプロセス管理の方法を、同氏の著書『結果を出し続ける人が行動する前に考えていること: 無理が勝手に無理でなくなる仕組みの作り方』から、一部を抜粋・編集して解説します。

「失敗は成功のもと」は取り扱い要注意の言葉

私は「結果」にこだわっています。結果にフォーカスして「0か100か」で考えています。結果が出れば100点ですが、結果が出なければ、どれほど頑張っても「0点」です。

結果を出すために私が重視しているのが、「プロセス」です。プロセスとは、「結果を手に入れるための工程」のことです。そこですべきは、プロセス管理。結果を出すための工程の順番と役割を考え、最短距離で最高の結果を目指すことです。

「どういう結果を、いつまでにほしいのか」を明確にして、「では、どうやってそれを実現するのか」「結果を出すための工程はいくつあって、どのような順番で進めればいいか」を考えてプロセスを管理します。

と申し上げると、「そんなの当たり前じゃないか」と言われそうですが、案外それができていない人が多いと思います。その証拠に、結果が出ていない。私だって少しでも気がゆるんだら、プロセス管理がいい加減になってしまうので、今でも常に意識しています。

やりながら考えていくのも1つの方法ですが、どうせだったら最初からプロセスが質の高いものになっていれば、無駄なルートは減ります。

もっと言うと、「失敗は成功のもと」という格言を知らない人はいないと思いますが、解釈のしかたによってはかなり危険な言葉にもなります。1度でも失敗が絶対に許されない世界もあり、特に医療や公共交通の運転では命を預かっているため、そんなことは口が裂けても言えません。

私の本業である歯科医療も、まさに失敗してはならない領域。たとえば、インプラントの手術をする際、失敗や再手術があってはなりません。難易度の高い手術でも、100%の結果を求められます。

「いのうえ歯科医院」では、オールナイトでインプラント手術を行ったことがあります(2日間で17症例。1日に2、3症例が一般的だとされている)。簡単な手術は1つもありませんでしたが、すべての手術で100%の結果を出せたのは、「手術を成功させる」ことを前提に、プロセスを管理したからです。

プロセス管理に必要な「5大原則」

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