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Kōki,がアイスランド映画の主演を獲得した事情 監督は両親が日本のセレブとは知らなかった?

東洋経済オンライン / 2025年1月24日 9時30分

「ある日、彼女のお母さんがアイスランドの撮影現場を訪れると、日本食レストランのシーンに出ていた日本人のエキストラが、すごく反応してね。お母さんが大スターだと知ったのは、その時だ。撮影のために日本に行き、彼女らがいかに有名なのか、あらためて知らされたよ。だが、Kōki,を選んだのは、あくまで彼女の才能とルックスが理由だよ」

ミコの50年後を演じる女優を決めるのも、やはり難しかった。結果的に選ばれたのは、なんとキャスティングディレクターの奈良橋氏本人。ここでもまた言語の壁が大きかったと、コルマウクルは振り返る。

「彼女はオーディションで相手を務めてきて、演技がなかなかうまいとわかっていたし、『あなたがやれば?』と提案してみたんだ。最初は恥ずかしがって嫌がったけれど、願い倒してやってもらったら、すばらしかったんだよ。私はキャスティングにおいて直感を信じる。どこから来た人なのかはそう大事ではないし、キャラクターから遠くかけ離れていないような人を求める」

相手役は俳優じゃなかった監督の次男

主人公クリストファーのキャスティングも、直感に頼った。若き日のクリストファー、つまりKōki,の恋のお相手を演じるのは、コルマウクル監督の息子。しかも、俳優である息子ではなく、演技の経験がゼロだった次男を抜擢している。

「この役のためには、イギリスのキャスティングディレクターを使い、年齢的にふさわしい演技ができる、あるいは演技をしたいという男性を幅広く見た。だが、ピンと来る人は見つからないまま。すると、ある人が、『あなたの息子さんは?』と言ってきたんだ。

私には3人息子がいて、下のふたりは当時24歳と22歳。22歳の三男はアイスランドの演技学校に通っていたが、このキャラクターとタイプが違いすぎる。そう答えると、その人は『いえ、私は(次男の)パルミを提案しているのですよ』という。

パルミは芸術学校に通っていて、演技に興味を示したことはない。だが、私が勝手に拒絶してしまうのは違うと思った。何年も経ってから『お父さんのせいでチャンスが絶たれた』と言われたくないし、本人に聞こうと。それでオーディションに来てもらったら、パルミはそこにいたみんながびっくりするようなことをやってみせたんだよ。誰よりも驚いたのは、私自身だったね」

日本人からは、本木雅弘、中村雅俊らも出演している。

「ミコの父親である高橋役には、伝統的な日本の父親らしさを打ち出せる俳優を求めていた。本木雅弘にはそれができるし、同時に温かさもある。高橋は、ある意味、若いクリストファーにとってもお父さん的な存在になる。クリストファーの中に、ちょっと自分自身を見るんだよ。久多良木役を演じる中村雅俊も、印象深い演技をしてくれた。ロンドンのシーンに出てくる人たちにも言えることだが、出演時間が短くても、正しいキャストであれば、記憶に強く残るものだ」

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