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テスラが運行、電池式列車「ギガトレイン」の正体 ベルリン工場の専用線に導入、従業員を輸送

東洋経済オンライン / 2025年1月25日 6時30分

ベルリン郊外のテスラ工場へ従業員を輸送するバッテリー駆動の「ギガトレイン」(筆者撮影)

アメリカの新大統領にドナルド・トランプ氏が就任し、1月20日に新政権が発足した。同政権で注目を集める人物といえば、トランプ氏肝煎りの新組織「政府効率化省」のトップを務める起業家、イーロン・マスク氏だろう。

【写真を見る】テスラの巨大工場「ギガファクトリー・ベルリン」に従業員を運ぶ「ギガトレイン」とはいったい、どんな車両?車内や「テスラ専用駅」の様子も

マスク氏は電気自動車(EV)メーカー、テスラのCEO(最高経営責任者)として知られる。一見、鉄道とは関係なさそうに見える同社だが、ドイツ・ベルリン郊外にある巨大工場への従業員輸送用としてバッテリー駆動の列車「ギガトレイン」を導入し、自前の線路を走らせている。どんな列車なのか。

巨大工場に従業員を輸送

ベルリン東郊外・グリュンハイデに位置する「ギガファクトリー・ベルリン―ブランデンブルク」は、旧東ドイツのエリアに建設された欧州初のテスラの生産拠点。約300ヘクタール(東京ドーム64個分)の広大な敷地に約1万2000人の従業員を抱える。2022年3月に開所し、中型SUVの「モデルY」やバッテリーなどを生産している。

【写真】テスラの巨大工場「ギガファクトリー・ベルリン」に従業員を運ぶ「ギガトレイン」はどんな車両?車内やテスラ専用駅の様子も

敷地は東ドイツ時代、西側から来る列車の乗客から市街地が見えないよう、カムフラージュのために植えられていた森林を伐採して開かれた。一説によると、この敷地ではかつて東ドイツの秘密警察「スタージ」が訓練を行っていた、あるいは東独に入る国際郵便物の検閲を行っていた、などの事実があるという。

この工場と、ベルリン―ポーランド間を結ぶドイツ鉄道の路線上にあるエルクナー(Erkner)駅を結ぶのがギガトレインである。テスラは工場開設に合わせ、2022年に本線から分岐して工場付近へ至る約4.8kmの線路を買い取った。

線路は工場の資材搬入にも使われたが、狙いは24時間3交代勤務で稼働する工場の従業員輸送だ。エルクナー駅と工場を結ぶ旅客列車の運行は2023年9月にスタート。当初はディーゼルカーを使用していたが、2024年8月から新型のギガトレインに切り替えた。途中までの電化区間はパンタグラフで架線から集電し、非電化のテスラ専用線内はバッテリーで走行する。

実際の運行業務は地元の鉄道会社、ニーダーバルニマー鉄道(NEB)が担う。列車は1日約60本運行し、3交代勤務に対応している。乗車は無料だ。

起点は旧東ベルリンの東端駅

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